この記事には講談社発行『週刊少年マガジン』で連載中の「ブルーロックの2巻」の感想と評価を書いたものです。
前巻では、300人の高校生が“青い監獄”へ足を踏み入れる事となりましたが、最初のサバイバルゲームでは、
主人公の潔が期待の新人「吉良涼介」を脱落させる事となりました。
その後も明かされる“青い監獄”内の不条理な摂理ですが、生き残れるのはたったの1名。
潔が所属するチームZは、生き延びるために協力していくのか、それとも裏切りの果てに自滅していくのか、
では、その真意を確かめるためにもキャラ紹介も兼ねながら2巻の感想を書いて行きます!
考察や伏線要素も触れてあります(項目から飛べます)。
※この記事には2巻までの内容が含まれるので、まだ読んでいない方はご注意ください※
⇒【“かいぶつ”とは⁉】
目次
主要な登場人物
今回の主要人物は5名です!!
絵心甚八(えご じんぱち)
・概要
日本をW杯(ワールドカップ)優勝へ導く最重要コーチ(キーマン)としてアンリから紹介された人物。
アンリと絵心いわく、
今のやり方では日本W杯優勝は未来永劫 不可能だと考えており、一歩先へ行くためにも今のサッカーは一度“死ぬべき”だと考えている。
サッカーとは元来 全員がストライカーでもいいくらいで、今まで刷り込まれてきたポジションや戦術に頼っていては新しいサッカーは生まれないと言う。
そして、日本が一位になるために必要なのは、11人のチームワークなどではなく、最重要はストライカーという存在であり、
その1人の英雄がチームを変え、国を変え、世界を変えていくのだと言う。
なお例として、メッシ、C・ロナウド、ネイマールの有名選手の名前も引き合いに出している。
結局、DFなどといったシステムも彼らを止めるために創造されたモノに過ぎず、それを超える戦術もまた副産物に過ぎないとも語った。
原点はストライカーにあり。
“青い監獄”ではこの原点を学ぶための工夫がなされており、「0から創るサッカー」というテーマも出された。
因みに千切はC・ロナウド、メッシなどはW杯なんか優勝してないとも話しており、絵心の話しを全部 鵜呑みにするのは良くないと忠告してもいる。
潔 世一(いさぎ よいち)
・概要
本作の主人公。
無名の選手だが日本のエースストライカーとなってW杯で優勝したいという夢を抱く。
“青い監獄”で行われた“オニごっこ”では日本サッカー界 期待の新人と言われた吉良涼介を脱落させた。
その後に行われた体力テストやジャンピングテストでも自分より優秀なメンバーがいる事を知り、自信を失くしていた。
実際、身体能力は他者より秀でている訳ではないようで、
“青い監獄”独自に搭載されるランキング制度でも順位は300位中299位と下から2番目(入りたての頃)である。
しかしながら蜂楽からは自分の中に眠る“かいぶつ”という存在について仄めかしており、
その“かいぶつ”は潔の中にも存在すると話す。
潔はこの“かいぶつ”こそがストライカーの証であると考えており、それを真意を知る事こそが、
この“青い監獄”を生き残るための術に繋がるのではないかと思うのであった。
馬狼 照英(ばろう しょうえい)
・概要
チームXのリーダー的存在(250位)。
ボールとはあくまで下僕であり、自分を輝かせるための球体に過ぎないと言う。
なおピッチ上では自分が王様(キング)であるとも話しており、チームメンバーも馬狼を慕って“キング馬狼”と呼んでいた。
一次選考ではチームZ(潔のチーム)と対峙することになる。
大川 響鬼(おおかわ ひびき)
・概要
洗膿高校のエース。
熊本県大会の得点王であり、シュートテクニックがズバ抜けている。
チームY(254位)に所属しており、一次選考で主人公の潔率いるチームZと対峙することになる。
二子 一揮(にこ いっき)
・概要
チームYの心臓。
自分の武器はフィールとを的確に把握できる眼と他人を使うことに長けた脳ミソにあると語る。
チームZと対峙しており、潔とは頭脳戦を繰り広げる事になる。
見所
ここからは個人的に面白いと思った場面や見所を3つだけ紹介します!(他にもいっぱいあります)
0から創るサッカー
最初の見所はチームZが最初に戦ったチームX戦です。
そもそも“オニごっこ”の後として一次選考が始まって、それが伍の中にいるV、W、X、Y、Zの総当たりとなりました。
内上位2チームが二次選考へ進み、下の3チームは敗退です。
・1位⇒二次選考
・2位⇒二次選考
・3位⇒脱落
・4位⇒脱落
・5位⇒脱落
そして、この一次選考には特殊ルールがあって、これが曲者なんですが……(笑)
それが得点王のストライカーだけは生き延びて勝ち上がれるというモノでした。
・1位⇒二次選考
・2位⇒二次選考
・3位⇒脱落⇒得点王1名は勝ち上がり(残り10名脱落)
・4位⇒脱落⇒〃
・5位⇒脱落⇒〃
なので、仮にチームが負けるとしても各試合で1点でも良いので、他のメンバーより点を多く取れば、それで良かったのです。
結局最後に生き残るのは1名ですし。
そうして迎えた初戦ですが…これがどうなったかと言うと…
お団子サッカーの誕生です(笑)
主人公の潔は「お粗末すぎる…」という心境でしたが、
ただここからが面白くなる所で、このお団子サッカーに革命を起こす人物が現れます。
それが、チームXの馬狼。
彼は、このお団子サッカー状態の中から高いテクニックでボールを奪う事に成功し、
前に立ちはだかった潔を足技“ヒール・リフト”で抜き、
更に久遠と今村を股抜きで抜いて見せると、
最後には伊右衛門からゴールを奪って1点を決めたのです。
これにより、お団子サッカーに変化(革命)が起きす。
チームXは馬狼を主体とした連携を自然に取るようになり、気付けばチームXは集団として機能するようになっていました。
この時、潔は絵心から話された「0から創るサッカー」という言葉を思い出し、
馬狼が取った”1”が“0”を“1”に進化させたのだと実感することになります。
まさに絵心が話していた…
たった1人のストライカーからサッカーが生まれるという言葉を体言するかのような、
そんな瞬間だった訳です。
潔にとってこの瞬間は、定石やポジションや戦術を習う事よりも長いサッカー人生において最も貴重な瞬間の一つだったと言えますよね。
「次俺9」と武器
続いての見所はチームY戦ですね。
チームZの二試合目となる訳ですが、チームZは初戦で負けた事で後に引けない状態でした。
というのもこの総当たりは、計4回試合するわけですが、2勝2敗だと点数は6(1勝⇒3点、1敗⇒0点、1引き分け⇒1点)。
「例」
・全勝⇒4勝で12点、全敗は0点、全引き分けは4点。
そして、久遠が言うには2勝1引き分けで7点で、これがボーラーラインでした(最低でも狙うべき点数)。
「例」
\ | V | W | X | Y | Z |
V | \ | 〇 | 〇 | 〇 | × |
W | × | \ | 〇 | 〇 | × |
X | × | 〇 | \ | × | 〇 |
Y | × | × | 〇 | \ | △ |
Z | 〇 | 〇 | × | △ | \ |
・V⇒3勝1敗0引き分け⇒10点
・Z⇒2勝1敗1引き分け⇒7点(ボーダーライン)
・W⇒2勝2敗0引き分け⇒6点
・X⇒2勝2敗o引き分け⇒6点
・Y⇒1勝2敗1引き分け⇒4点
なので、2敗した時点でもう、その後に頑張って2勝したとしても、もう上位2チームに入る可能性のは厳しいと考えたワケです。
逆に言うと3勝すればよっぽど大丈夫って感じですね。
で、チームZは既に1敗していたので、後に引けない状況でした。
しかしそれでも得点王は生き残れるというシステムがあったので、これが弊害になっていてチームはまとまる事もありませんでした。
もうヤバいって感じでしたが、ただここで久遠からある提案がされます。
それが作戦「次俺9」。
これは、90分という試合時間の中で、10分ずつリーダーを交代していき、リーダーとなった人のプランを起点にして、
サッカーをしようというものでした。
全員 平等にチャンスが与えられるため、画期的な提案で、全員はこれを呑む事になります。
なお9である理由は、11人の中のGKを務める伊右衛門とDFを務める千切は遠慮したからですね。
そうしてそれぞれが持つ特徴や得意としている「武器」を主軸とした、9通りの戦い方が披露されることになります。
・vsチームY
「次俺9」を持って挑んだ相手は、大川率いるチームYでした。
大川は一番最初の会場にもいた人物で、「洗膿高校のエース」として注目されていた選手でした。
そのため、この試合でもマークされることになります。
しかし、チームYの真価はそこではなく、
実は“二子”という人物にありました。
この二子がいわゆるチームの司令官であり、チームYの強さの秘訣は、彼を起点としたサッカーでした。
これに気付けなかったチームZはまず一点をリードされます。
そして、この事に唯一気付いた潔がこの後 独自の考えを持ってチームYを凌駕していくんですが……
この辺は大盛り上がりだったので、ぜひ本書を手に取ってご自身の目でご確認下さい!
チームZの面々
最後にチームZの名場面も3つ挙げていきたいと思います。
全員で11人いますが、最初に挙げたいのは
・國神
國神(くに がみ)ですね。
彼が最初のチームX戦(vsキング馬狼)で唯一ゴールを決めた人物な訳ですが、このシュートがバチコリカッコイイ(笑)
長距離からのロングシュートだったんですが、狙いと威力が半端じゃなく、もう大砲みたいな感じでした。
結果は1-5で負けましたが、ただチームZで最初に点を決めた人物だと考えると、
チームZの要となり得る人物と言えますよね。
後はこの後に食堂で、点を決めた人限定のボーナスとしてサーロインステーキを食べるんですけど…
これがめっちゃ美味そうでしたぁ…(笑)
運動した後に食べる肉ほど上手いもんはないですよねぇ…
なお、この時に描かれた潔と國神のやりとりも尊いんですよ。これがまた中々どうして。
國神からパスの件について“ありがとう”と言われるシーンも然り、
悩む潔に対してアドバイスをくれた國神のシーンも然り、
それに対しお礼をした潔と照れ隠しする國神も然り、
と、名場面 てんこ盛りでした。
今後ともこの二人の関係には注目していきたいですね。
・久遠
続いてが久遠です。
結局、チームをまとてくれたのは久遠です。
一回戦で負けて、ライチやイガグリや今村がグチグチ言ってる中で、何が本当にヤバいのか、久遠が教えてくれました。
一方でイガグリと伊右衛門は「は?」「なにが?」って感じでした(笑)
久遠の発言が無ければ、チームZはまとまる事もなく、2回戦で負けて、そのまま11人のサッカー人生は終わっていた事でしょう。
また、この後に久遠が提案した「次俺9」作戦も画期的でしたよね。
「0から創るサッカー」というテーマを考えると1点を決めた國神主体のチームとなっててもおかしくなかった訳ですが、
自己主張の強いライチやイガグリや今村を考えると、この「俺次9」ほどの名案はなかったと思えます。
今後も久遠が色々提案してくれそうですが、逆にこの久遠がブチ切れた時に誰が代わりにまとめるのかも気になりますよね。
今後ともハラハラ展開がありそうなので、期待です。
・我牙丸
3人目に挙げたいのが我牙丸です。
食堂ではギョーザを素手で食べる様子も描かれたので、“野生児”という印象が強い人物ですが、
我牙丸もまた1点を決めてくれた人物で、チームに大きく貢献しています。
一個前の勢いよく飛び出したヘッドスライディングも印象的ですが、この潔のフォローをした得点が1番デカかったですよね。
これが無ければチームZはどうなっていたか考えたものではありません。
どちらのシュートも特徴的なのは、恐れを知らないスピード感で、
このゴールも勢いがコロせないままゴールポストにぶつかっていますが、
武器が肉弾戦という事もあってか、鋼の肉体を持っているようで、無事でした(笑)
森の中で育ったのかな…?(笑)
結局これも、潔のシュートが「外れる…!」という野生の感が光ったからこそ、全力で走る事をやめずに、最後 ボールに食いつけた訳ですが、
この直感力は今後ともチームZに貢献することになるのではないかと思えます。
まぁ…我牙丸的にはパスが来たと思ったみたいですが(笑)
この人とズレた考え方が今後どうチームに活きるかも楽しみですね。
考察伏線
続いて個人的に気になった考察と伏線要素にも触れます。
・言いたくない
一つ気になってるのは千切豹馬の“言いたくない”発言ですね。
これは「次俺9」作戦を遂行するためにそれぞれが“武器”が述べていた時のこと。
千切は“言いたくない”といって自分の武器を隠しました。
なぜなんでしょうね?
最終的に1名しか生き残らないから、強みを打ち明けたくないって感じなんでしょうか?
また、“言いたくない”という発言的に“あり”はするっぽいですよね。
参考までにチームZの武器をまとめると
・潔⇒ゴールの匂いと分析力
・イガグリ⇒諦めない心
・國神⇒左足のシュート
・蜂楽⇒ドリブル
・久遠⇒ジャンプ力
・ライチ⇒シュートテクニック
・今村⇒スピードとテクニック
・伊右衛門⇒オールラウンド
・我牙丸⇒肉弾戦
・成早⇒裏への飛び出し
という感じになっています。
千切の武器は、恐らくこの中の“武器”とは被らないもの。
で、千切の性格、“保守的”で“自己主張が激しくない”の事を踏まえると、
“裏をかく系”が得意なんじゃないかなと一つ思いました。
そうなると、コーナーキックからゴールを決めるのが上手いとか、
フリーキックとか、
何せよ相手の意表を突くような部分が得意なんじゃなかろうかと思っています。
意表を突く行為って分かってたら意味がなくなりますからね。
ここも今後どんな武器となるのかに期待ですね。
・気持ちいい――!!
続いてが、潔のゴールシーンですが……
これイっちゃってますよね(笑)
変な扉が開いちゃってます(笑)
これはチームY戦で1点を決めた時のワンシーンですが…
ここから“相手の夢を潰す”という“行為(ゴール)”に快楽を覚える事になっています。
これは、絵心が話した“世界一のエゴイスト”となるための兆しって感じでしたよね。
絵心「常識を捨てろ ピッチの上では お前が主役だ 己のゴールを何より喜びとし その瞬間のためだけに生きろ」(原作/金城宗幸 漫画/ノ村優介/ブルーロック/1巻引用)
一見 優しい性格で落ち着いている主人公ですが、その本性がちょっとずつ覚醒している印象でした。
なお潔には“かいぶつ”というテーマもあるので、この“世界一のストライカー&世界一のエゴイスト”になる上では、
この“かいぶつ”の正体も徐々に明かされていくと思いますが、
その真意が何になるのかも楽しみですよね。
このままいくとなんか、エゴ爆発して、自己中になり過ぎて、闇落ちしていきそうでもあるんですが…どうなるんでしょうね(笑)
この後もこうやって点を稼ぐ中で、どちらかというと蜂楽みたいなイカれ野郎になっていくと思いますが、
この主人公“潔”がどう変貌していくかも注目所です。
感想
という事で感想ですが、全体的に盛り上がってきた!って感じですよね。
1巻ではまずこの世界観を伝えるのための絵心の大演説が中心でしたが、それはロマン溢れる内容だったので、
導入としてはバッチリだったような気がしています。
で、明かされていく“青い監獄”の実態ですが、それは高校生からすると目を覆いたくなるようなものばかりでした。
脱落したら一生 日本代表に入れないという条件なんて極悪過ぎますし…
そもそも300人中1人しか生き残れないシステムもヤバすぎです。
まぁ日本の代表になれないって事なので、海外行けばいいんですけどね(笑)
後は300人のランキング化もされていて、主人公は299位と下から2番目にいますが…
最終的に潔が1位まで駆け上がると思うと、
激熱シーン目白押しとなること間違いなしなので、先が楽しみになりますね。
それと同時に仲良くなったチームメンバーともお別れする感動シーンや泣けるシーンもきそうなので色々と楽しみです。
では、2巻から一次選考が始まりましたが、まだ終わっていないので、チームZがこの上位2チームにどう食い込んでいくかが見ものですね。
まだまだ盛り上がりそうなので次巻も楽しみです!