この記事は講談社発行『週刊少年マガジン』で連載中の「彼女、お借りします」の30巻の感想を書いたものです。
前巻では、アパート崩壊もあり、千鶴と和也のキスを匂わせる展開も多めでしたが、
今回らは遂に共同生活が本格的にスタートします。
はたして…どんな展開が待ち受けているのでしょうか?
では、キャラ紹介も軽く兼ねながら感想を書いていきます。
伏線や考察要素にも軽く触れています(項目から飛べます)。
※30巻までのネタバレが含まれるので、先バレが嫌いな方は要注意です※
⇒【千鶴は現状キス待ちか⁉】
⇒【調査編は和也からのキスで終幕⁉
目次
キャラ紹介
今回紹介する主要キャラは2名です!
木ノ下 和也(きのした かずや)
・概要
本作の主人公。
「レンタル彼女」の一タレント、水原千鶴に恋をしている。
ハワイアンズでは、水原千鶴の正体がバレるも、和也からは誤魔化しの嘘がつかれることになった。
和也は、実は小百合おばあちゃんが死ぬ1週間前くらいから付き合っていたと言われた。
これに対し麻美は、
恋人である証拠としてキスを強要した。
これには千鶴が応える事になったが、それはもはや「レンタル彼女」としての枠組みを超える行動だった。
和也はその真意を知るため質問もする事になるが、
千鶴からはその時の気持ちを調べるために“調査”に入ると返された。
これ以降、千鶴のアプローチは増え、2人は夜な夜な長ラインする仲にまでなった。
そして、その後には、
住んでいたアパートの崩壊もあって千鶴の実家で1か月だけ住まわせて貰える事になった。
一ノ瀬 千鶴(いちのせ ちづる)
・概要
本作のヒロイン。
レンタル彼女事務所の「Diamond」に在籍している。
女優を目指しており、その演技の練習として「完璧な彼女」を演じる。
しかし、
和也との関係を続ける中で、次第に“ある感情”が芽生えていくようになる。
本人曰くそれにはまだ「名前がない」と言っている。
現状は、
その気持ちを知るための調査期間に入っているが、
和也からはようやく“恋愛対象”に入ったと浮かれる場面も描かれた。
そんな中、今巻から、2人を含めた共同生活が始まろうとしていた。
⇒【千鶴は現状キス待ちか⁉】
⇒【調査編は和也からのキスで終幕⁉
見所
ここからは個人的に面白いと思った見所や名場面を3つだけ紹介していきます!(他にもいっぱいあります!)
共同生活開幕
本巻の最大の見所はやはり、この…
和也と千鶴の共同生活です!
八重森もいますが、
何よりも目が離せないのは、調査期間の千鶴の行動ですね。
また、和也的には、
そもそも千鶴と同じ家にいるってだけで大喜びって感じで、こっちとしても、
千鶴が「おかえり」というシーンなんかもう滅茶苦茶エモかったですね…
それはもうさながら将来の奥さんを思わせるようなシーンでした……
ただ、和也は調査期間という事もあって、
また家を貸してもらっているという身分もあって、
下手を打てない状態です。
そのため、毎日がドキドキで、まるで泥棒かのような動きを一日中することになります…(笑)
馬鹿なことに、寝顔を覗きに行こうとした時には、
千鶴とバッタリ鉢会って、「何してんの」と言われる始末でしたが、
「ああ丁度いい ちょっと会議しましょ」という流れになりましたね。
和也的には、この時の千鶴が朝のお風呂上がりだったので、それを拝めて大興奮という感じでしたが…(笑)
そして、この共同生活編ですが、
どうやって距離を詰まていくのかな~と思いながら読んでましたが…
これが結構 茨の道という感じでした…(笑)
なんせ、千鶴からは全然 チャンスを頂けません。
むしろ、壁が作られる一方で、難攻不落という印象でした。
まず、それぞれの生活リズムがあるから、
という理由で「ご飯も別でいいでしょ?」という感じでしたし、
生活スペースについても、
「居間」の隣らへんにカーテンが設けられ、
和也と女子はスペースが分断されてしまいます。
カーテンをしく理由は、脱衣所が狭く、ドアもないから、
うっかりバスタオル姿を見られないための配慮という事でしたが、
まぁ…付け入る隙は無しという感じです。
更に、
トイレの便座は下げて使って欲しいし、「ゴミも別々にしましょ」
というお話しも続いています。
これには流石の和也も
和也「でもカーテンか…当然ちゃ当然だけど…やっぱ信用されてねーみてーで 寂しくないって言ったら嘘になるな…」(宮島礼吏先生/彼女、お借りします/30巻引用)
と、若干 萎えモードに入るんですが、
これを察した千鶴は、信用の証として家の合い鍵を渡して、機嫌を取っていましたね。
これで和也も「何弱気になってんだ」と自分を奮起させていましたが、
まあ…実際 アナタ人の部屋を覗こうとしたわけだし…?(笑)
女性からしたら怖い事に変わりはありませんよね。
というように、和也が期待していたような展開は一切なく、
ここからどうやって距離が詰まっていくんだろう?と、考えさせる展開が続きます。
むしろ、アパートでの“お隣さん”だった頃よりも状況は厳しくなっていないかとさえ思えました(笑)
近くにいるのに遠く感じるという歯がゆさがあります。
お風呂
続いての見所はお風呂編です。
千鶴から合鍵を貰った後には、
“お風呂についてどうするか”と聞かれることになります。
入る順番は会議の時に話した
・女子⇒男子
という通りでしたが、
追い焚きできないと言う理由で、
和也のお風呂時間は21時~22時半までと指定される形に。
この事もあって、
和也はお馴染みの“妄想モード”に突入して、
お風呂に2人で入る光景や、千鶴のお風呂姿を想像したりするんですが、
実際に、その日の夜に千鶴がお風呂に入ったあとは、
もう居ても立っても居られず部屋の中を歩き回る始末でした…(笑)
この様子を見て、八重森がからかいに来るシーンなんかも面白かったですね。
で、
その後にお風呂に入った和也ですが……
感想は意外や意外。
和也「でもなんだろう 変な感覚だ…“同じ風呂に入る”なんて…付き合ってからするもんだと思ってたし それこそ夢物語だと思ってたけど 水原はいつも通りで…一緒のお風呂に入ったって 何かが変わる訳じゃねーんだな…なんか“遠い”な…」(宮島礼吏先生/彼女、お借りします/30巻引用)
と、感じる始末でした。
このせいで和也はまた萎えモードに突入するんですが…
これまた和也の事を察した、千鶴がご機嫌を取ってくれます。
内容としては、
千鶴が「ハイお水」といって、和也を気遣っただけですが、和也も嬉しそうでした。
なので……
過度な期待するが、でも実際にはそう行かずに“一人でに落ち込む”和也と、
それを見て気遣う千鶴…
という構図が目立つ共同生活でしたね。
千鶴からしても「ん?どうしたんだろ?」って感じですよね、きっと。
でもそこにちゃんと気付くのはちゃんと“調査中”で、意識している証なので、
先は遠そうですが、着々と進んでいる印象ではありました。
⇒【千鶴は現状キス待ちか⁉】
⇒【調査編は和也からのキスで終幕⁉】
〇〇よ、そういう人
続いての見所は、
ようやく見れた千鶴のデレのシーンですね。
和也と千鶴と八重森の3人で始まったドキドキの共同生活ですが、
その実態は意外にも距離が詰められずに、何もできない日々が続くばかりでした。
しかし、遂には「ん?」と思えるような千鶴からのデレが描かれることになります。
これは、
和也の歯磨き事情での一件で起きます。
まず洗面所ですが、行くにはカーテンの向こうに行く必要があって、
なので、和也は女性陣の事を気遣って、
歯磨き自体は、大学でしているような状態でした。
しかし、千鶴目線で考えると、和也は「歯磨きをしていない男」に映る危険性がありました。
そこで和也は洗面所で歯を磨くことを実行します。
そうして、カーテンの向こうにある洗面所に行くんですが…
結局、千鶴とバッタリ鉢会うことになります…(笑)
「ヤバ!戻るか!」と思う和也でしたが、千鶴は「どぞ」という感じで普通に対応しています。
これは以前にも語られた通り、
八重森「今の水原さんは その気持ちに応える 準備があるように見えるっス!」(宮島礼吏先生/彼女、お借りします/27巻引用)
千鶴が和也を受け入れる心構えが出来ると思えるワンシーンの一つでした。
むしろ、最近では、千鶴から歩み寄る展開の方が目立つくらいです。
そして、察しの良い千鶴は、この磨きの事すらもわかっていたようで、
千鶴「何取り繕ってんのよ 別に そうかなとは思ってた まだ他人の家だろうし 気 遣うわよね」宮島礼吏先生/彼女、お借りします/30巻引用
こう話されます。
マジで何でも分かるよな…って感じですが…(笑)
この後には最高のデレ言葉が放たれることになります。
それはもう脈ナシの人には決して言わないような事でしたが、
こちらはぜひとも自分の目で確認して欲しいので、まだ見ていない方はご購入の検討をオススメします!
考察&伏線要素
ここでは、個人的に気になった伏線要素に触れていきます。
・麻美、和也を好きになる
今巻で気になったのは、麻美の動向ですね。
流れを見るに、
和也を好きになったような雰囲気がありました。
展開としては、
麻美から「ちょっと時間貰えない?」ラインが来て、
2人は久々に再会します。
そして、
喫茶店では互いに沈黙していましたが、ここでようやく麻美が口を開くことになりますが、
しかし、会話はたった一回の質問で終わっています。
その質問とは、
“千鶴と付き合っているのは嘘なんでしょ?”。
といったものでした。
これに対し、和也は「ああっ」とその事を認めるような返事をするんですが、
この後2人はそのまま解散となります。
つまり、麻美は和也と千鶴が付き合っているかの確認がしたかっただけ。
更にその後には、麻美が自室である言葉を思い返すシーンも描かれました。
その言葉とは、
千鶴「麻美さんこそ自分の気持ちに嘘をついていませんか?ここまで和也に執着するのはおかしい そう思いませんか?ご自身の“本心”をあらためてからでも遅くないかと…」(宮島礼吏先生/彼女、お借りします/30巻引用)
ハワイアンズで千鶴に言われた言葉。
そして、注目すべきは、
この最後に描かれた千鶴の表情です。
それはまるで、まだ恋をしていた頃の乙女のような表情でした。
つまり、麻美は和也を好きになった可能性が高い訳です。
そうなると、今後は、
千鶴とるかのヒロインレースに麻美も参加することになりますが、
その場合にはまた話が膨れ上がっていくので、
「彼女、お借りします」は作品としてまだまだ続いていきそうですよね。
大学での次の新学期は大波乱となりそうです。
感想
という事で、30巻では遂に共同生活が始まり、
和也的には日常の千鶴が沢山見れて幸せ~という展開が続きましたが、
和也はそんな「一ノ瀬千鶴」の事をいまだに脳内でも「水原」と呼んでいるので、
まずはこの呼び方を「一ノ瀬」に変えないといけないのではないかと思えます。
千鶴からしても、和也が好きなのは「水原千鶴」なんでしょと言われているわけですし、
和也の事を好きになりかけている千鶴ですが、
というかもうとっくに好きなんですが、
その「水原千鶴」でない完璧でない自分を見せても、
和也が気持ちを変えないか調査中…
って感じですよね。今は。
なので、
この共同生活では、千鶴は「一ノ瀬」な一面を見せつつも、和也の反応を見ている印象でしたが、
このチェックはまだまだ続きそうでしたね(笑)
ていうか千鶴も千鶴で手堅すぎって思いますが、
なんだか、100%お互いに相思相愛だと思えないと付き合えない完璧主義者なのかな?って思っちゃいますが、
マジでこのまま行くと大学卒業まで行きますよ?(笑)
流石にそれまでには“調査の答え”を出して欲しいですが、それが出される時には、
遂に2人が実を結ぶことになるのか…?
それともそこからがスタートになるのか…?
29巻時点では、キス展開にも期待していたんですが、共同生活は思っていたよりも壁が厚かったので、
まだまだ先は長そうでした…
では30巻の感想でした!
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