この記事は講談社発行『週刊少年マガジン』で連載中の「甘神さんちの縁結び」の10巻の感想を書いたものです。
前巻では、白日が登場し、瓜生共々 異世界へと誘われました。
はたして、白日の願いは叶うのか?
それとも瓜生にフラれ、元の世界に戻る事になるのか?
続きが気になる所です。
それではキャラ紹介も兼ねつつ、感想を書いていけたらと思います!
伏線や考察要素にも触れています(項目から飛べます)
※10巻までのネタバレが含まれますので、先バレが嫌いな方はご注意ください※
⇒【白日に闇落ちフラグ⁉】
⇒【新ヒロイン白日の参戦が熱い⁉】
目次
主要なキャラ紹介
今回紹介する主要キャラは4名です!
上終 瓜生(かみはて うりゅう)
・概要
本作の主人公。
児童養護施設「きせき園」で育った。
夢は医者になる事と甘神神社を継ぐことである。
予備校に通い始めてからは同じ施設で育った白日と出会うことになる。
しかし、とある日のこと。
目が覚めると、巣だったはずの児童養護施設に戻っていた。
そこでは、白日が恋人となっており、元の世界とは別の高校にも通っていた。
また、この世界では、瓜生と三姉妹は他人となっており、三姉妹からは拒絶されることになる。
しかし、瓜生の必死な声掛けもあって、三姉妹からの信頼を得る事になる。
こうして、三姉妹は瓜生を元の世界へ戻すために協力しだすのであった。
月神 宵深子(つきがみ よみこ)
・概要
「月神神社」に務める巫女で、“禰宜”の階級に付く。
「甘神神社」の三姉妹のお師匠さんでもあり、彼女らの作法といった基礎を教えた。
しかし、宵深子の本音は、別に跡継ぎになる必要ないと考えていた。
三姉妹にはそれぞれの思い描く夢に向かう形で幸せになって欲しかったのだ。
しかし、「月夜の夢見る虹」での一件では、三姉妹から再び跡継ぎになる決意する表れが示された。
宵深子はこの答えに納得し、
より一層 厳しく鍛え直すと言い放った。
だが、最後は、
困ったらいつでも相談に来て下さいといつもの優しい表情を見せるのであった。
鶴山 白日(つるやま しらひ)
・概要
児童保護施設「きせき園」で育った人物。
幼少期に施設に入っており、その頃から瓜生と仲良くしている。
その際には、
泣いている所を瓜生が励ますシーンが描かれ、そのことから瓜生に恋情を抱いたと考えられる。
夢は、医者になって、瓜生と病院を建て、恋人関係になる事である。
しかし、5年ぶりに現代で出会った瓜生には、許嫁がおり、
自分の理想とする瓜生はそこに居なかった。
白日は暗神に頼み、2人の理想の世界へ行く事になる。
暗神
・概要
基本的には山奥にある「暗神神社」に滞在していると考えられる。
そこでお願い事をすると願いが叶う事から、
世間では「暗神のお呪い」が流行っている。
そして「暗神神社」に来ていた白日の想いを汲み取った暗神は、彼女の願いを叶えるのだった。
⇒【白日の想いが誰よりも強い⁉】
⇒【神様の正体とは⁉】
見所
ここからは個人的に面白いと思った名場面や見所を3つだけ紹介していきます!(他にも名場面はいっぱいあります)
縁結び
瓜生が訪れた世界では、結局、
瓜生が白日の革新に迫り、
暗神に願いをしていた事がバレることになります。
そして、白日は巫女の体験をしたり、三姉妹の舞を見る中で、改心していきます。
そうして元の世界に戻ることを決意するのですが、
相談役として現れた宵深子のお話が、
かな~り興味深いものでした…!
宵深子は丁寧に、
瓜生と白日の間に起きている事象について説明してくれました。
宵深子曰く、
これは「縁結び」なんだと言われ、解説が始まります。
この話を簡単にまとめると、
パラレルワールドは実在していて、
今自分がいる世界は「此の世」と呼称していて、そして他の世界は「別つ世」だと呼称されていました。
なお「別つ世」はい幾つも存在しているという感じで、まさに良くあるパラレルワールドという感じでした。
そして、神様は誰がどう結ばれるかという事を全て把握しており、
更に神様の力を持ってすれば、
この「此の世」と「別つ世」の縁を繋げる事も可能だと説明されたのでした。
つまり、
「此の世」が元いた世界で、
今 白日と瓜生がいる世界が「別つ世」という事になります。
また、「此の世」と「別つ世」にいる人はあくまで別人であるため、
「別つ世」に居た三姉妹は瓜生との記憶や体験が無かった訳です。
これには、瓜生も「神様すげーな」とリアクションしてましたが、
ホントその通りで、もう凄すぎって感じですよね(笑)
変な話し、もうやりたい放題です(笑)
神様にお願いをすれば、どんな相手とでもくっ付けてくれる訳ですから…
マジでありがたいでしかありません(笑)
また、
瓜生が体験した過去に戻るタイムリープや、
朝姫と体験したタイムループや、
夕奈との入れ替わりを考えると、
もっと凄い力が秘められているという印象もありますね。
恐らく、この「縁結び」に限った力だけではないので、今後ともどういった力が発揮されるのかが楽しみです。
何しても、
本作の大枠組(設定の基盤)が明らかになった貴重なシーンだったと言えます。
⇒【神様の正体とは⁉】
⇒【舞昼と北白川の関係とは⁉】
無事で済むわけないでしょ
続いての見所は、暗神との接触シーンです。
瓜生と白日が訪れた世界「別つ世」は、
言わば、暗神が「縁結び」で、2人をくっつけた世界でした。
そして、この世界から去ろうとしていた瓜生と白日ですが、
暗神からは、衝撃の事実が明かされることになります。
それは…
この世界から去るという事は、
それはつまり一度結んだ縁「切る」という事であって、
そうなったらもう2人が結ばれることは、
決して有り得ない、
世界の運命でそう決まっているのだと話される事になったのです。
これにて、
神様へお願いことをすることに、リスクがあった事が明らかになっています。
以前には瓜生から、
瓜生「そんなノーリスクで願いが叶うなんて 随分 人に甘い神様だな」(内藤マーシー先生/甘神さんちの縁結び/9巻引用)
リスクについて語られたこともありましたが、
他のタイムリープやタイムループ、入れ替わりにもリスクがあった可能性を考えると、
この神の力は、
決して安心のできる代物ではないと言えます。
仮に神様の意志に背き、
試練に失敗すれば、
最悪、身を滅ぼす事にもなるんじゃないかと思えます。
後は、そういった世界線や世界観が存在してるなら、
天国や地獄も存在していそうなので、
今後ともどんなシーンが描かれるかに期待が高まった形にもなっています。
これも超必見の重要なシーンだったと言えます。
⇒【夕奈のトラウマが切なすぎた…】
⇒【夕奈の夢が熱い!!】
別れ道
続いての見所が、
この異世界編「別つ世」の終幕です。
結局、暗神に元の世界に戻りたいと願った白日ですが、
暗神からは「本当にそれでいいの?」と聞かれ、
最終的には、「別れ道」へ誘われることとなりました。
この世界には、二つの道があって、
一つの道は、元の世界へ戻る道。
そして、もう一つの道は今の世界に留まる道がありました。
2人はこの2つの道の選択を強制されますが、
ここで白日は、
瓜生に正式に告白をすることになります。
好きだし、瓜生の隣に居たいし、一緒に幸せになりたい…
と。
そしてここから先は、
瓜生の返事が描かれるコトになるのですが、
こればかりはぜひともご自身の目でご確認頂きたいので、
まだ買っていない方はぜひ本巻に触れてみてください。
グッと来るシーンが描かれています!!
⇒【白日に闇落ちフラグ⁉】
⇒【新ヒロイン白日の参戦が熱い⁉】
考察&伏線要素
続いては個人的に気になった考察や伏線要素にも触れていきます。
今回は考察&伏線要素がいっぱいあったんですが、
・瓜生の記憶
まずは、瓜生の記憶について触れていきたいです。
「別つ世」(パラレルワールド)に来ていた瓜生ですが、
ここでふと一つの疑問を抱きます。
それは、
「なぜ自分だけは“記憶が残ったまま”なのか」という疑問。
パラレルワールドでは、
三姉妹は瓜生を知りませんでしたし、
舞昼も瓜生が児童養護施設から「甘神神社」に引き取られた事を知りませんでした。
それもそのはずで、
こっちの世界での瓜生は白日と縁を結ばれ、
児童養護施設から大学生になるまでは、滞在していい事になっていたので、
至極真っ当の結果でした。
ただ、
瓜生的に言えば、
だったら自分のこの世界の住人で、「此の世」の記憶はないハズという事でした。
結局、この質問に対して、宵深子は、
宵深子「いい質問ですね ですが あなたがそれを知るのはまだ早いですよ」内藤マーシー先生/甘神さんちの縁結び/10巻引用)
と、ラスボスみたいな発言を返していましたね…(笑)
整理すると、
瓜生が記憶を持ったままパラレルワールドを行き来しているのには、
明確な理由と答えがあるようです。
一つ、考えられるのは、
瓜生はパラレルワールドの自分と記憶の共有と保持が出来るという可能性です。
瓜生は度々 未来視をして、成人した自分や三姉妹との光景を見たりしますから、
そういう意味では、
第1巻のラストで瓜生が出会った夜重も、
「別つ世」の別の自分が見た光景だったと言えるのでしょう。
で、ここで重要となるのは”なぜそれが可能なのか”という事ですが、
これはおそらく、瓜生の血筋と関係してくると思います。
というのも、
瓜生の両親については、今のところ情報がほぼありませんが、
であるなら、そこに真相が隠されているのは明白ですよね。
分かっている事といえば、母が病死したという事くらいのもの。
因みに朝姫の父とされる人物についてもまだ詳細はないですが、
これも重大な要素が隠されているからなのか?
そのため、朝姫の過去についても触れられていないと考えられます。
そうなると、
瓜生のご家族と朝姫のご家族は関係があったのかもしれませんが、
そのご両親が、神様や神社と身近な関係にあったのなら、
特別な力が宿っている事とも繋がるので、
こちらは引き続き新情報に期待ですね。
・神様の味方
続いて気になるのが、
神様と月神宵深子の関係性ですね。
そもそもこの2人は、本来の世界「此の世」でも会話を交わしたことがあって、
宵深子が「本当いたずら好きね」と話しかけて、
神様が舌を“ベッ”っと出すシーンも描かれました事があります。
そして、この2人はパラレルワールドの「別つ世」でも、繋がりがありました。
なお、この回では、
宵深子が「縁結び」の説明をして、
パラレルワールドの世界と神様とその力の存在を認めた訳ですが、
神様は「ずいぶん思い切ったね」と…、
「ちょっと説明しすぎじゃない?」みたいなリアクションをしていました。
宵深子は「誤魔化しはどうにもできますよ」と言っていたんですが、
“なぜそこまでして瓜生に協力するのか?”
が気になりますよね。
そうなると、
2人は瓜生の正体を知っていると考えられます。
そこに秘密があるのでしょうが、
「別つ世」で記憶を持っていた点を考えると、
もしかしたら、
全パラレルワールドでの瓜生はもうとっくにシんでいるのかもしれません。
だからこそ、替えが利かないので、
たった一人の瓜生がその全てを保持しているんじゃないかと思えます。
つまり、
瓜生が未来視で見ている景色はどれも、
他の瓜生がその道の半ばで失敗し、誰とも結ばれなかった世界線なのかしれません。
それはつまり、
第1話で瓜生が階段から落ちた際には、本当にシんでいた事を意味します。
しかし、記憶であるために、結局、「此の世」の瓜生には支障がなかったのです。
と、考えていくと、
今の瓜生は唯一の生き残りであり、
神様や宵深子が献身的になっている理由とも辻褄が合います。
ただ宵深子はあくまで神様の味方だと言っているので、
最終的には瓜生が「別れ道」の時みたく、選択を迫られ、
宵深子はが言った、
宵深子は「いいですか?瓜生さん あなたの決断がどれだけ残酷なことか 今日の話をよく思い出して覚悟決めてください」(内藤マーシー先生/甘神さんちの縁結び/10巻引用)
という、お話にもなっていくのでしょう。
現状は、瓜生のその選択は三姉妹を幸せにすることですが、これが残酷な選択だと言うのなら、
瓜生は3人をたぶらかした結果、誰とも結ばれないし、医者にもなれないし、
その結果“三姉妹はそのせいで誰とも結ばれない”という未来も待っているのだと思います。
ただまあこれは悪く言っているだけで、
結局、宵深子は、「真剣に頑張りなさいね」と言っているようなものです。
これは、
今後ともどうなるかに期待したいですね。
感想
という事で本巻は、
この作品にとって非常に重要なシーンが満載でしたね。
「縁結び」の説明や、パラレルワールドの肯定や宵深子と神様の繋がりや、暗神の「別れ道」のシーンなどなど。
どれも欠かせない場面ばかりでした。
他にも白日と瓜生が過ごした異世界での日常も面白かったですし、
白日と瓜生の2人での一件が終わった後の、瓜生と三姉妹の絡みも面白かったですし、
魅力的なシーンは他にもありましたが、
全体的に「壮大な話になってきたな~」という印象が残りましたね。
因みに現状はお見合い編という事で、また瓜生と三姉妹が本格的に絡みだすんですが、
次は街でのデート編って感じなので、
引き続き三姉妹の可愛い姿に期待しています。
今のところ、3人は拮抗している印象がありますが、
でも朝姫と夕奈が瓜生と奇跡を体験したこともあって、夜重がちょっと出遅れてる印象があります。
なので、今後は瓜生と夜重の奇跡体験に期待しています。
後は、個人的には朝姫が可愛らしくてしょうがないので、そっちのデート編からも目が離せませんね。
一生懸命 背伸びしようとして、失敗しちゃってる感が良いんですよね…
応援したくなります…(笑)
ではでは、引き続き「甘神さんちの縁結び」を応援していけたらと思います。
10巻の感想でした!
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