この記事は講談社発行『週刊少年マガジン』で連載中の「甘神さんちの縁結び」の9巻の感想を書いたものです。
前巻では、夕奈のお話がメインで、過去編からトラウマや夢について語られることとなりました。
更に文化祭やBBQ編も描かれ、和気あいあいとした場面が多かった印象もあります。
そして、ラストで登場した「暗神さん」という存在。
本巻では、その真相に迫っていくことになるのか、気になる所です。
では、キャラ紹介も兼ねながら感想を書いていきます!
考察&伏線要素にも触れています(項目から飛べます)。
※9巻までのネタバレが含まれるので、先バレが苦手な方はご注意ください※
⇒【神様の正体とは⁉】
⇒【舞昼と北白川の関係とは⁉】
目次
主要キャラ紹介
今回紹介する主要キャラは3名です!!
上終 瓜生(かみはて うりゅう)
内藤マーシー先生/甘神さんちの縁結び/1巻引用
・概要
本作の主人公。
児童養護施設「きせき園」で育った。
将来の夢は医者であり、京都大学への進学を目指す。
医者になった暁には、施設を手伝って、
世話になった舞昼に恩を返したいと思ってもいる。
また、甘神神社に引き取られてからは、
三姉妹と非現実的な体験もするようになった。
その中では、
朝姫と過ごした同じ日が繰り返されるタイムループや、
夕奈と心が入れ替わる“入れ替わり”などが起きた。
瓜生は彼女らの悩みを解決することになるが、
その中で次第に互いに対する想いは募っていくのであった。
はたして、瓜生は誰と結婚することになるのか。
また、夢は無事に叶えることができるのか。
神社を継ぐとも決めたが、やるべき事は増していくばかりなのであった。
鶴山 白日(つるやま しらひ)
内藤マーシー先生/甘神さんちの縁結び/9巻引用
・概要
瓜生と同じ、児童保護施設「きせき園」で育った人物。
瓜生とは幼い頃から付き合いがあり、特別な想いを寄せている。
暗神
内藤マーシー先生/甘神さんちの縁結び/8巻引用
・概要
学生の間では、
「暗神さんのお呪(まじな)い」が流行っていた。
それは、とある山奥にある神社でお願いをすると、
願いが叶うというものだった。
そうしてSNSでは、
暗神さんにお願いした事で結ばれたカップルの話しが度々 上がってのだった。
⇒【夕奈のトラウマが切なすぎた…】
⇒【夕奈の夢が熱い!!】
見所
ここからは個人的に面白いと思った名場面や見所を3つだけ紹介していきます!(他にも名シーンはいっぱいあります)
ヒロインレースに新キャラ参戦
まず今巻の見所は、
ニューヒロインの参戦ですね。
瓜生は勉強にもそろそろ本腰を入れなさいって事で、舞昼の紹介で、
予備校へ通うことになります。
内藤マーシー先生/甘神さんちの縁結び/9巻引用
そこで出会ったのが、鶴山白日でした。
そんな白日ですが、彼女も実は、
児童保護施設「きせき園」で育った人物でした。
つまり、瓜生とは顔見知りのキャラクターです。
なお、2人は5年ぶりという事でしたが、
瓜生は、最近になって、甘神神社に受け入れられましたから、
そういう意味では、白日は早くに独り立ちをした人物とも言えます。
可愛らしい描写が目立ちますが、しっかり者と言えるでしょう。
そして、
施設時代の瓜生を知る人物という事もあって、彼女には彼女独自の想いがあったんですが、
白日「瓜生のとなりはボクの特等席なのに…」(内藤マーシー先生/甘神さんちの縁結び/9巻引用)
この想いが三姉妹とはまた一味違って、特別なものでした…。
それのせいで、ちょっと厄介ごとにも巻き込まれて行くんですが、
それを知ることが本巻では何よりも重要だと言えます。
白日の想い
続いての注目は、今巻で描かれた、
白日が秘める瓜生に対する想いですね。
まず、白日ですが、
施設に来たのは両親が事故で亡くなっての事でした…
内藤マーシー先生/甘神さんちの縁結び/9巻引用
そんな白日を気遣ってくれたのが同じ施設に居た瓜生でした。
そんな瓜生は夕奈と被る性格で、
素直じゃないなく、でもお人好しなので、
励ますつもりなんだけど、でもちょっと素っ気ない対応をすることになります。
内容は、
「俺は勉強で忙しいけど、泣き止むまでは隣に居てやるよ」
って感じでした。
舞昼は「よくあんな無愛想な事言えたよね」とこの時のことをツッコんでいましたが、
でもこれって、
白日からしたら、こんなに嬉しい事はないですよね。
もう両親がいなくなってて、心の拠り所もなかった訳ですから、幼かったにせよ、恋に芽生えていた事でしょう。
これ以降、瓜生は白日の目標となって、後ろにくっついて付きまとう事になるんですが、
構ってもらうためにイタズラとして、輪ゴムを飛ばしたりしていました。
こういったイタズラから、
「弟みたいな奴」だとも思われていました。
なので、本編では、輪ゴムキャラ?的な立ち位置もあるのか、右手に輪ゴムをつけているシーンも確認できます。
もしかしたら、2人だけの特別な思い出が込められた輪ゴムなんかを持ち歩いていたりもするのかもしれませんね。
で、
この頃から医者になるべく京大を目指していた瓜生ですから、白日も同じ夢を持つようになります。
そうして、2人は5年の時を経て、塾で出会いましたが、
好成績だった白日を見るに、
想いは変わっていなかったと言えますよね。
内藤マーシー先生/甘神さんちの縁結び/9巻引用
むしろ、テスト結果では、白日の方が上でしたから、白日の想いは年々 増していったとも言えます。
これの面白い所が瓜生が抜かれているという事実ですよね。
施設時代では、白日の京大合格に対して瓜生は、
「お前なんかには無理」と言っていたんですが、
蓋を開けてみたら抜かれちゃってます。
それはつまり、
瓜生の施設の人を支えたいという想いよりも、
白日の瓜生の隣に居たいという想いの方が強く、それが勉学にも表れていると言えます。
それだけ、白日の瓜生に対する想いは強いのです。
幼少期の事から瓜生を知っているという意味では、夜重と重なる部分もありますが、
常に隣に居たという意味では、夜重よりも一歩リードしていた存在です。
しかし…そんな瓜生の目にはもう自分の事など留まっていませんでした。
話しをしていると神社の事ばかり話しています。
結局、瓜生は神社を継ぐと言い、更には許嫁と言えるような存在もいる状態でしたが、
白日にとっては、これは望ましい展開ではありません。
これでは、
「何のために勉強をしてきたと思ってるの…??」
「このままじゃ良くない…」
と、いった負の感情が芽生えても不思議じゃないような状態です。
そして、この先では、最悪の存在と出会いを果たすことになります。
暗神さん
本作の最大の山場とも言えるのが、
この“暗神”を交えたエピソードです。
学生の間では、
「暗神さんのお呪(まじな)い」
が流行っていて、
どこかの神社にいる「暗神さん」にお願いをしたら、願い事を叶えてくれるという都市伝説みたいな話が噂になっていました。
結局、甘神神社一行は、この噂を確かめるために、この神社へ行くことになります。
また、甘神神社一行は、お願い事をするつもりで、
この山奥にある「暗神神社」に来ていたんですが、
ただ、瓜生が、
内藤マーシー先生/甘神さんちの縁結び/9巻引用
「願いを叶えるのは自分自身」と言った事をきっかけに、
結局4人はそのまま挨拶だけして帰っています。
そして、ここからが最悪の展開です。
白日も実はこの“暗神神社”に来ていんですが、この白日の暗い気持ちに呼応したのか、
内藤マーシー先生/甘神さんちの縁結び/9巻引用
“暗神”が登場することになります。
ここで白日は「瓜生が隣に居てくれる世界」を望んでしまいます。
結局、この世界は実現して、ここからは、瓜生の異世界での奇妙な冒険の第3弾が始まる訳ですが、
これは、瓜生の今までの気持ちを全て踏みにじる行為ですから、
やるべきことではなかったと言えます。
そしてその先でどうなったかは、ぜひ本巻を手に取ってご確認頂けたらと思います!
考察&伏線要素
続いては、
個人的に気になった考察&伏線要素についても触れていきます。
・未来視
内藤マーシー先生/甘神さんちの縁結び/9巻引用
まず気になったのが、暗神神社に訪れた際に4人が見た
“将来のビジョン”的なシーンです。
この4人が見た光景は、
今の4人とそう変わりないようにも見えますが、
ただ、この光景を見た後に、
朝姫は夕奈に対して、「アンタちょっと髪伸びてなかった?」的ことを言っているんですね。
これに対して、
夕奈も朝姫に「そっちでしょ?」と返しているんですが、
つまり、この4人が見た未来視は、そう遠くない未来という事になります。
そして、現状では、
暗神に誘われた世界に瓜生が閉じ込められていますが、
仮にこの未来視が実現ですなら、
最終的には瓜生はそこから脱出し、
白日の想いも敗れる事を意味してる事になります。
また、そうなった場合には、瓜生が話した、
瓜生「そんなノーリスクで願いが叶うなんて 随分 人に甘い神様だな」(内藤マーシー先生/甘神さんちの縁結び/9巻引用)
といったセリフが残ってる事もあって、
暗神から何かしらの罰の下されてしまうのでは?
と懸念している部分もあります。
ここがちょっとホラー要素ですね。
白日も健全にこの間に割って入ればよかったですが、もしかしたらヤバい事になるやもしれません。
なので、この4人が見た未来視は、
瓜生達からすれば良い伏線ですが、白日からすると嫌な伏線となっています。
因みになぜ未来視できたのか?と言われれば、
これは4人を“紐”が囲んでいる事と、
そして三姉妹が頭に母の形見である“紐”をつけている事から、
母が見せたとも考えられますよね。
月神宵深子も一度話したことがありますが、この時も母は彼女らを見守っていたのでしょう。
そう思えるワンシーンでもありました。
⇒【神様の正体とは⁉】
⇒【舞昼と北白川の関係とは⁉】
感想
という事で9巻は、
白日がメインとなっている巻でしたね。
他にも白日が甘神神社に訪れる話しや、2人の動向を朝姫や夕奈が追う話もあって、
見所は満載です。
なお、ヒューヒロイン参戦という感じではありますが、
なんだおか闇落ちしそうな匂いがプンプンしますよね…
今のところ「ラブコメ」という事もあって、明るい要素が目立ちますが、
この“暗神”の登場で一気にダークな雰囲気も出てきました…。
個人的には面白い要素だと思ってるので、今後が楽しみです。
他にも〇〇神が出てくるのかな??
内藤マーシー先生/甘神さんちの縁結び/8巻引用
そして、この神様関連もゆくゆくは繋がっていく事でしょうから、そこからも目が離せません。
・3人のヒロインレース
内藤マーシー先生/甘神さんちの縁結び/6巻引用
後は、3人のヒロインのレースについてですが、
なかなか 拮抗してきていますよね。
最初は、夕奈の髪紐の話があって、
夕奈が一歩リードしたり、
でも、夜重の階段での意味深な描写やほっぺのキスもあって、夜重がリードしたり、
その後には、朝姫の一人暮らしの話が入ってきて3人が並んだ足りと、
右往左往って感じですが、
最終的には均等になっている印象があります。
で、現状は、
夜重の過去が明かされ、
次に朝姫のタイムループの物語が入って、
そして最後に夕奈の“入れ替わり”の話がありましたが、
こうなってくると、
次はまた夜重かな~?と思えますよね。
なんなら、瓜生は、朝姫と夕奈とは神掛かり的な体験をしましたが、
夜重とはまだしていません。
過去編は体験しましたが、瓜生一人でした。
なので、この後は夜重&瓜生と神様を交えたお話なんかも入るんじゃないかと思っています。
更にその後は、唯一過去編が描かれていない朝姫の番って感じでしょうか?
これは、
まだまだ盛り上がっていきそうですね。
では、一旦は、
瓜生と白日の異世界編の結末が気になるので、
そちらどうなっていくかに期待です。
9巻の感想でした!
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