この記事は講談社発行『週刊少年マガジン』で連載中の「不滅のあなたへ」の18巻の感想を書いたものです。
前回では、日常回という形で、フシとその仲間達との辛みがメインでしたが、
その中では、フシの精神的な成長も描かれました。
そして、後半ではミズハの誕生日会が始まるも、フシvs守護団のノッカーが始まろうとしています。
ここから先は一体どんな展開となるのか…?
では、キャラ紹介も交えながら感想を書いていきます!
考察と伏線要素にも触れています(項目から飛べます)。
※18巻までのネタバレが含まれるので、先バレが苦手な方は要注意です※
⇒【トナリの悩みはフシへの恋⁉】
⇒【フシが大人に成長するシーンがエモい…】
目次
キャラ紹介
今回紹介する主要キャラは4名です!!
フシ
・概要
本作の主人公。
地上の情報を保持するために通称“黒いの”に創造された装置。
刺激を受ける事でその物体の性質を獲得できる。
物体であれば触れたりするだけで変身可能となる。
人の場合は死んで以降 その人に変身可能だ。
それ以外にも動物に変身したり、あるいは全身の至る所から武器やら食べ物やら建物の一部や、城壁までも創造可能で、
最終的には地表の全てに自身から生成した根を張ることに成功させた。
そうしてノッカーを殲滅した。
更に、創造した物体等は、根やロープで繋がっている限りは自分の一部であり、
それらを介して移動する事も可能となっている。
なお、フシには人のポジティブな感情とネガティブな感情を感じ取る能力も備わっているが、
それは自身が創造した物体等と自分が繋がっているのなら、その近辺にいる人の感情も読み取る事が出来る。
欠点としては、
物体が自身より遠ければ遠いほど、効力は薄れていくが、
フシが集中すればその限りではない。
そして、幸いにも心優しくなったフシは、
人間に対して非常に協力的なため、皆の幸せを願い、常にそうなるよう行動している。
現代では、500年前の仲間達を蘇らせ、彼らの夢の実現を願っている。
また、長年戦ってきたノッカーは現代でも生息していたが、その実態は昔とは大きく異なっていたため、
フシから少しずつ歩み寄ろうする姿勢が見え始めるのであった。
トナリ
・概要
ジャナンダで島長となった人物。
以降は趣味の本を書きながら、島の平安を守った。
その後、40年の月日が流れた後には、サンデルと共にフシと出会う。
しかし、トナリはノッカーの攻撃により、致命傷を受け死に絶ええてしまう。
以降は本人の希望により、フシがその姿を獲得した。
また、トナリの魂は現世に留まり、霊の見えるボンに話しかけるようになった。
トナリは死んで以降もフシの事が気にかかり、ボンを通してフシを導いていたのだ。
そして、病死したアンナが復活を遂げる事になった一件では、フシが人を蘇生できることが明らかになった。
このことは、ボンとトナリ達の意向により、しばらく黙秘されていたが、
レンリルvsノッカーでは、フシのピンチに際して遂に彼らの復活が実現された。
こうしてトナリはフシと長年の時を経て再会した。
この後はフシの根を張る活動が始まり、トナリは自然死したが、現代で再び蘇った。
今では若い姿となり、フシと同じ中学校に通うが、
そこでは、ノッカーからの攻撃を受けることになるのであった。
ミズハ
・概要
一見すると普通の中学生の少女だが、その実態は守護団18代目継承者である。
現代でのノッカーは、人間の“死にたい”という強い想いに呼応して、楽園から復活を遂げる形で寄生する事が主流となっていた。
カハクのノッカー(通称“左手ノッカー”)も500年前に絶命していたが、
現代ではミズハの感情に反応して楽園から蘇り宿る事となった。
現状はノッカーが宿っても特に変化はないが、
しかし、持ち主が強いストレスに苛まれると、ノッカーが人格を乗っ取り、表に出る。
この時、持ち主の体はノッカー特有の不死身の体となり、ストレスを感じる対象に対して何らかのアクションを取る。
ミズハの場合はストレスの原因であった母を殺すことに至った。
なお、ノッカーの人格が表に出ている時は、持ち主の記憶が残らない。
そのため、意識を戻しても、空白の期間ができることになる。
つまり、記憶障害が頻発する場合にはノッカーが宿っている証と言える。
また、ミズハはフウカのノッカーと接触した際に、全ての真相が語られた。
こうしてミズハは自身にノッカーが宿っている事を知ったのである。
またフシと日々を過ごす仲で、ハヤセの子孫であるミズハも例によってフシに恋を抱くようになるが、
フシの態度が冷たいため、度々 憂鬱を感じることになる。
最終的にミズハは不幸を感じない良い世界を誕生させるべく、ノッカーを中心とした世界作りを始めてしまうのだった。
そうすれば不幸は消えると言う事であった。
そうして手始めにミズハのいるミナモト中学校がノッカーに襲われることになった。
青木ユーキ
・概要
ミナモト中学のオカルト研究部の副部長。
フシに関連した都市伝説に詳しく、フシが張った根については6歳の頃から観察していた。
ユーキ曰く、フシの根は1日に1m伸びるそうだ。
現代ではユーキが偶然にも魚に変身したフシを吊り上げ、
伝説との出会いを果たす事になった。
それ以降は、ユーキの強い希望により、フシをお爺ちゃんのカズミツの家で世話することになった。
フシはこの希望に受け、更に仲間達すらも迎え入れよう希望するのだった。
かくして、ユーキはお爺ちゃんカズミツと妹アイコの3人に加え、
オニグマと馬とメサール、ハイロ、カイ、エコ、トナリ(+ガリア―ド)、ボン、グーグー、マーチ、フシが加わる大家族となった。
また、こういった異邦人を受け入れる広い心を持つユーキだが、それはノッカーに対しても変わらない。
ユーキは言葉でもって、人間の伝えれば、絶対に仲間直りできると話す。
そうして、ノッカー退治に億劫になっていたフシにも度々アドバイスをした。
そして、ミズハの誕生日会では、ノッカーvsフシのごたごたに巻き込まれるのであった。
⇒【トナリの悩みはフシへの恋⁉】
⇒【フシが大人に成長するシーンがエモい…】
見所
ここからは個人的に面白いと思った名場面や見所を3つだけ紹介していきます!(本巻にはもっとたくさんあります)
vs偽フシ
本巻に見所は、
フシ達の在籍するミナモト中学校に現れた偽フシ(ノッカー)との戦いですね。
そして、このバトルですが、フシ達は守護団の本部の地下にいたため、
戦う事になったのは、
集会で集まっていたトナリ、アイコ(ユーキの妹)やいじめっ子集団のサキ、ナギサ、カサベ、フウナの女子達でした。
偽フシは不死身の体で、体内の液体を吐きかける攻撃がメインでしたが、
この液体にはノッカーが入っているので、一滴でも浴びたらヤバいという感じでした。
一方で、女性陣は超古株のトナリが爆矢で攻撃する展開がメインでしたが、
しかし、それだけでは偽フシを倒すことが出来ず、学内を逃げ回る鬼ごっこが開幕となります。
こんな状態だと、
「トナリ以外のキャラはお荷物じゃない??」
と思いそうなところですが、
ところがドスコイ、
これが女性陣がいい活躍をしてくれます。
最年少のアイコは偽フシの血しぶき攻撃を傘で防ぐファインプレーをしていますし、
陰口集団の女性陣もアルコールランプに火をつけた火炎瓶なる攻撃を食わらせています。
その後も、トナリが偽フシを引き付ける形で、屋上に誘い込んだ際には、
女性陣が仕掛けた爆弾によるトラップで偽フシを燃やし尽くしてもいます。
初めてのノッカー戦で、これだけ活躍が出来ればもう言うことないですよね(笑)
更に、この後には、
カイ、ハイロ、メサールが加勢として登場するんですが、
このシーンもばちこりカッコよかったですね……
伝説の再来という感じでした。
そして、
ここから先もまだまだ大盛り上がるんですが、
百聞は一見に如かずなので、続きが気になる方はぜひ本巻でご覧頂けたらと思います!
見ごたえバッチシでした!
⇒【トナリの悩みはフシへの恋⁉】
⇒【フシが大人に成長するシーンがエモい…】
フシvs左手ノッカー
続いての見所もバトルシーンですが、
守護団の地下では、
フシvsハヤセのノッカーこと左手のノッカーとの戦いが始まります。
これは左手のノッカーの希望により、
“一度どっちが強いか本気で戦ってみたかった”という事でバトル開幕となるのですが、
序盤はフシが手加減していたこともあって、
アイリス⇒ミヤ⇒ユイス⇒リーン
といった流れで、フシの姿が次々とやられていきました。
また、ミズハの父のノッカーが事前に弾丸によって、
1話の少年⇒シン(グーグー兄)⇒パロナ
を奪っていたため、フシは若干のピンチにはなるんですが、
ここから激熱展開でした…
フシはここで、
遂にカハクに変身します。
ここからは、
カハクの薙刀の攻撃もあって、防戦一方となって、フシが左手ノッカーを追い込んでいくんですが、
ここ先の展開も超重要でした。
いつもならば、このままノッカーを退治して終了なんですが、
今回は違いました。
これがもう第2部において一番重要となる会話だったと言っても過言ではないです。
フシとノッカー
左手ノッカーvsフシでは、
フシが左手ノッカーの攻撃を受け止め、しばしの話し合いとなります。
ここでフシは、
フシ「行くとこがないなら おれがお前の依り代になってやる」(大今良時先生/不滅のあなたへ/18巻引用)
と、今までのフシでは決して見られなかった、
ノッカーに歩み寄る姿勢がみられました。
それはユーキのノッカーと仲直り出来るという考え方の影響で、
フシもいつしか
“お互いが分かり合えるといいな”
と思うようになっていたためです。
なお、この前の場面には、
友好の証としてユーキがミズハ(左手ノッカー)から差し出された水を躊躇なく飲むシーンもあったのですが、
このユーキの行動に対しては
左手ノッカーも“好き”
だと語っています。
人間でない両種が、ユーキという一人の人間の分かり合えるという気持ちに触れた事で、
フシとノッカーの仲直りも実現しそうという雰囲気でした。
実際、フシの問いかけによって左手ノッカーも心がなびいていた雰囲気があり、
後は左手ノッカーの返事待ちでした。
が……
ここでミズハの父ノッカーが間に割って入り、左手ノッカーを抹殺してしまいました…
ミズハの父ノッカー的には、
“そろそろ家に帰ろうと思ってな”
との事で、
そうしてその後に自分も自害して、楽園へ帰っています。
また、ミズハの父ノッカー的には、
フシもその生みの親に対しても自分達が無力であったため、
一旦出直すという感じでしたが、
本当にフシvsノッカーの決着が着いてもおかしくない場面でしたよね。
それくらい今回の戦いは佳境に迫るものがありました。
まあ…結果はもう少し先延ばしにされる事となりましたが、
何してもフシvsノッカーの一つの終わりの形が提示された事になっています。
次は左手ノッカーが再び蘇った時に、どういった心境の変化が起きているかが見物ですね。
⇒【トナリの悩みはフシへの恋⁉】
⇒【フシが大人に成長するシーンがエモい…】
考察&伏線
続いては個人的に気になった伏線と考察要素に触れます。
・ノッカーの入った水
まず気になったのはユーキの飲んだ水です。
こちらは、左手ノッカーの発言により、
ノッカーが入っていたことが分かっています。
つまり、平和を望むユーキですが、
その本人の中にもノッカーが宿る形になりました。
一応、
現代のノッカーは持ち主が過度なストレスを感じない限りは、表に出てこないので、
滅茶苦茶ヤバい状態というわけでもなさそうですし、
“黒いの”ことサトルに頼めば、
ノッカーだけ抽出してもらう事も可能でしょう。
しかし、それではユーキの中にわざわざノッカーを入れた意味合いが薄れちゃうので、
おそらく、今後は、
ユーキがノッカーに語り掛ける形で、親睦を深めていくのではないかと思えます。
因みにユーキ的には、
肉体があるからこそ苦しみを感じ、その感情を分かり合えるから心が通じ合えると思っているそうなので、
この考えがノッカーに伝われば平和の実現も近くなります。
そもそもノッカーは、
不幸や不安やらの負の感情が一切ない“魂”主体の世界観を作ろうとしている存在で、
これはフシも似たような考えを持っていました。
フシの場合は、
それを人間界で実現しようとしていた訳ですが、
ただ最近では、自分の元から離れようとするグーグーやハイロとの一件から、
“別れ”が必ずしも悪い事ではない事を実感し心境の変化が起きています。
それに加え、
ユーキの分かり合う気持ちを尊重する姿勢も見られるようになっています。
それをこの左手のノッカーとの決戦では伝え…
そして、受け入れて貰えそうでもありましたが、
確実にフシは成長しつつあります。
残すはノッカーだけです。
それをユーキが伝えていくことになるのではないかと思えますよね。
というよりそうしない限りは永遠と戦いが終わらないですからね……(笑)
もうノッカーが死んでも楽園へ行って復活するなら、
楽園を潰さないとダメって事になりますが、
それは流石に外道コースでしょうし、
一方でフシもフシで、死人を蘇らせられるし、全部奪われても、
何だかんだ仲間が助けてくれますしで、
イタチごっこです。
それを永遠と描いていも良いですが、言語があるでしょう。
今後は、ユーキの行動から目が離せませんね。
感想
という事で18巻はバトル展開がメインとなっていて、
かなり見応えある巻となっていました!
更にフシと左手のノッカーとされた会話も物語の終わりに絡みそうな話で滅茶苦茶大事でした…
まだ戦いは続きそうですが、
今後はユーキとその中にいるノッカーがどうなっていくかや、
後は、左手ノッカーが復活した際にどう変わっているかが見物ですね。
他にも、
“黒いの”がチートすぎて、トキを止めて、そのままノッカーを摘出できちゃうので、
今回でも登場しただけで「あっ勝ったわ」ってなるのが面白いですね(笑)
まさにヒーロー見参って感じです(笑)
今回は学校に、
補助輪付きの自転車に乗って登場しましたが、もうこのギャップは溜まらんですね…(笑)
で、結局この“黒いの”もそうなんですが、
彼的には、倒すだけなら自分でも出来るけど、
“心は支配できない”というのが課題なので、
それをフシがどう実現させていくかが見物ですよね。
それが達成されれば、この「不滅のあなたへ」も終幕となるのだと思います。
という事で、いったん 佳境に入った物の、またリセットとなった状態なので、
ここからどんなお話しに入っていくかに期待ですね。
では続きも楽しめたらと思います。
18巻の感想でした!
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