この記事は集英社発行『週刊少年ジャンプ』で連載中の「呪術廻戦」の20巻の感想を書いたものです。
前巻では、東京第1結界での激闘が描かれました。
虎杖は、羽場に勝利し、日車の説得にも成功。
一方で伏黒の方は、
針をサツ害し、その後のレジィとの戦いも終盤に入った雰囲気でした。
はたして、伏黒はレジィを相手に勝つ事が出来るのでしょうか?
では、キャラ紹介も兼ねながら感想を書いていきます!
考察や伏線要素にも触れています(項目から飛べます)!
※20巻までのネタバレを含むので、先バレが嫌いな方はご注意下さい※
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目次
キャラ紹介
今回紹介する主要キャラは6名です!!
伏黒 恵 (ふしぐろ めぐみ)
・概要
東京呪術高専の1年。
現在は“死滅回游”に巻き込まれた姉・津美紀を助けるために行動中。
そして“死滅回游”では、
十九日以内に点数の変動が見られないと、術式が剥奪され命を落とす危険があった。
伏黒はこれを阻止すべく、
点数が譲渡できるルールを追加しよう試みている。
因みにこれは、虎杖が日車を説得した事で既に達成された。
なので、伏黒が次に狙うのは、
ゲームから離脱できるルール追加となる。
レジィ・スター
・概要
夏油のサバイバルゲームに参加しているプレイヤーの一人。
“シ滅回游”の最終場面に備え、強い味方と点数稼ぎをしている。
レジィ曰く、最後は爆弾が落ち、“シ滅回游”が役割を終えるのだと言う。
そのため、天元から語られた羂索の目的は代案に過ぎないと反論もしている。
それは、天元から語られた
“結界内のプレイヤー達の呪力を利用した人類の進化”は、本命ではないとの事だった。
なぜなら、
そもそも結界内では多くのシ者が出ており、強者が生き残るシステムになっていたからとの事だった。
本編では、伏黒を仲間に引き入れようとしたが、伏黒が強情にもレジィの全ての点数を要求してきたため、戦闘となった。
乙骨 憂太(おっこつ ゆうた)
・概要
東京呪術高専の2年。
“死滅回游”に参加し、虎杖らと共に羂索の目論見を阻もうとしている。
なお、乙骨は情報収集すべく、虎杖、伏黒、真希らより先に宮城県内の結界へ侵入することになる。
黒漆死(くろうるしし)
・概要
宮城県の結界に参加する特級呪霊。
ゴキブリの呪霊であり、大量のゴキブリの一匹一匹に呪力を宿し、強化できる。
また、単為生殖が可能であり、一体で新個体を増殖させる事も可能となっている。
食欲旺盛で、人間を食らう。
石流 龍(いしごおり りゅう)
・概要
宮城県の結界内で点数を稼ぐプレイヤーの一人。
約400年前の人物とされており、プレイヤー1の呪力出量を誇る。
一度目の人生は、
骨のある奴と戦い、いい女にも巡り会ったため、腹八分目くらいの満足度であると語ったが、
しかし、漠然とした渇きという悔いを残したと語った。
本人的には自分の人生にはデザートがなかったそうだ。
烏鷺 亨子(うろ たかこ)
・概要
宮城県の結界に参加するプレイヤーの一人。
元藤氏直属暗殺部隊“日月星進隊(じつげつせいしんたい)”の隊長であり、
今回が二度目の人生となる。
因みに一度目の人生では、藤氏の同族ゴロしの身代わりにされている。
暗殺部隊だった烏鷺は名を持つ事すら許されなかったが、
その事からか“何者かに成る”ことへの強い拘りが見られる。
術式は「空(空間)」を操る事が可能で、
当然のように空を浮遊すれば、空間を捻じ曲げて相手に衝撃波浴びせる事も出来る。
そして、羂索の“シ滅回游”は今回の人生の第一段階に過ぎないからと、あらゆる事態を想定して点数稼ぎをする。
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見所
ここからは個人的に面白いと思った名場面を3つだけ紹介していきます!(他にもいっぱいあります!)
伏黒vsレジィ・スター
まず最初の見所は、
前巻の続きの伏黒vsレジィですね。
今巻で終着となるのですが、かな~り特殊な戦いでした(笑)
端的に言うと、重さ比べ勝負だったんですが……
まず、伏黒は「領域展開」内に取り込まれたモノの重さを感じるようになっていたのですが、
レジィは伏黒を押しつぶすために、2.4t相当の乗用車を3台分を落としました。
一方でレジィは、
伏黒の「領域展開」によって性能が向上した3~6tに相当する重さの「満象」の重みに耐えていました。
で、
「どっちが先に潰れるかな!!」っていう勝負だったんですが、
最終的には、
①レジィ⇒「満象」に潰され影の中へ
②沈んでいた車に命令を出し無事に影から脱出
③術式の「再契象」で30tに匹敵する家を落とす
④伏黒、領域を解いたため、体育館の地面が割れる
⑤レジィ地下1階のプールへ落下
という流れになって、結局 どっちも潰れていません。
で、ここからがザ・バトル漫画って感じで面白かったんですよね。
二人の状況は、
①レジィ、術式に行使するためのレシートが水に濡れ使用不可
②伏黒、領域展開後のため疲弊状態
こんな感じで、肉弾戦をせざるを得ない状態となりました。
所謂、バトル漫画で一番燃える展開の肉弾戦ですね。
そうして、伏黒vsレジィでは、
レジィが伏黒の式神を使う瞬間を狙ってカウンターを決めようとするんですが、
最終的には、
玉犬の牙がレジィの体の半身を抉り取る形となって、終幕しています。
体術戦だけならレジィが押していたんですが、ここが式神使いの強みですよね…
本編では、不意を突いたという表現がされていましたが、
そもそも術式が扱えなくなったレジィ相手なら、普通に玉犬を出して2対1で押していても勝てていたでしょう。
伏黒は、武器も持ってましたし…(笑)
なので、この戦いは、
レジィは“逃げなかった”時点でシが確定していたようなものでしたね。
更に言えば、
伏黒にはシにかけた際に使うであろう魔虚羅もいますから…
ここも考えると伏黒ってマジで厄介なんですよね…(笑)
そもそも実力が宿儺級じゃないと勝てないっていう……無茶難題(笑)
で、これは前菜みたいなもんで、こっから先のバトルが滅茶苦茶面白かったですね!
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乙骨vs黒漆
続いての見所は、乙骨の始動編ですね!
今巻からいよいよ乙骨の動向が見られる事になりました。
個人的には乙骨の愛や優しさに満ちた性格が好きで、虎杖より感情移入しやすいと思っているキャラクターです。
本編では、
宮城の結界内でさっそく特級呪霊の黒漆シと接敵する事になるんですが、
この時の乙骨の意気込みがカッコよくて…
乙骨はみんなの事を心配していて、
そのため、
羂索との戦いを一人で終わらせるつもりで突入していくんですよね。
“シ滅回游”の攻略に必要な、
4つのルール追加は自分が一人で400点を取って達成するし、
なんならその張本人の羂索も一人でコロす…
と、意気込みます。
もうね…
乙骨、主人公にした方がいいんじゃないか…?
と思えるカッコよさ(笑)
しかも、実際の所は「リカ」が一緒なので、
別に一人で戦う訳でもない所がエモくて良いんですよね…
そして、この後の黒漆死戦ですが、
“魅せる”に特化したバトルだったので、かな~り見やすくサクサク読めるバトルでした。
戦闘は、最終的に接近戦となって、
黒漆シが呪具「爛生刀(らんしょうとう)」からゴキブリを放ち、
それが乙骨の左肩に被弾します。
そこに、黒漆シが乙骨の胴体に追い打ちで深い一撃を入れるのですが、
しかし、ここで乙骨は黒漆シにガブリつきました。
そうして、口から口へ、
反転術式を流し、正のエネルギーを吹き込む形でもって黒漆シを撃退しました。
乙骨ならではの決着という感じでした。
反転術式で自分自身を治療するキャラは何体かいますが、
ただ、こうやって他者を癒せる事も出来るキャラはあんまりいませんから、
本作においてあまり見られないレアな撃退シーンだったかなと思います。
家入とかもこうやって呪霊を倒すんですかね…?(笑)
そうなら、見てみたいなぁ…
また、乙骨は、
「リカ」の完全顕現や、術式模倣(コピー)も残っていたであろう点を考えても、
まだまだ底が知れないという感じでしたが、
この先のバトルも激熱でした!
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乙骨vs石流vs烏鷺
最後の見所が、
3つ巴の戦い。
乙骨vs石流(いしごおり)vs烏鷺(うろ)ですね。
これがもう滅茶苦茶見応えありました。
呪術廻戦って2勢力による戦いが多めですが、
例えば、
虎杖vs順平とか、
虎杖&七海vs真人とか。
あくまで呪術師vs呪詛師とか、呪術師vs呪霊が基本です。
そこに一方の勢力の人数が増えて、2vs1とか3vs1になったりもしますが、
ただ今回は、
3人とも敵対した1vs1vs1だったので、
新鮮味があってかなり見応えがありました。
戦いの流れとしては、
黒漆シ戦を終えた乙骨にまずは烏鷺が不意打ちを決める形で、
乙骨vs烏鷺となります。
次に乙骨と烏鷺が会話を始めると、
今後は石流が不意打ちの広範囲の呪力をブチかまし、
乙骨vs石流と流れていくんですが、
特に激熱だったのが、終盤の展開。
3人が一斉に領域を展開して、畳みかけるのですが……
ここから先はぜひ本巻を手に取って、ご自身の目でご確認頂けたらと思います!
見ては損はありません!!
はたして、勝つは乙骨なのか?
どうやって勝のか…??
乙骨好きは見離させない展開となっています!
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考察&伏線要素
ここでは個人的に気になった伏線&考察要素に触れていきます。
・天元と羂索が繋がっている説
気になったのはレジィの発言とそれに対する伏黒の考えです。
これにより、
天元と羂索が実は裏で繋がっているのでは?という説が浮上しています。
そもそも天元曰く、
羂索の目的は、
天元「あの子は目的は日本全土を対象とした人類への進化の強制だ」芥見下々先生/呪術廻戦/17巻引用
です。
で、細かい話は省きますが、
今の天元は12年前の天内理子どの同化に失敗したせいで、
高次元の存在となりつつあります。
そして、今の天元は天元曰く、
自分の魂は至る所にあって、天地そのものが自分の自我らしいです。
ちょっと規模間が意味不明って感じですが、
ただ、天元は結界術で国土全土を守護してきた存在で広範囲に呪力を巡らせているので、
高次元の存在になると、そのまま日本全土の土地神みたいなモノになるのやもしれません。
結局、羂索はこの天元の張り巡らされた結界を利用して、
天元と日本全土の人達を同化させようとしています。
でも、今のままやっても上手くいく可能性の方が低いので、
“シ滅回游”という慣らしという名の儀式を経てから同化させようとしています。
これも2カ月もすれば準備が整うそうです。
因みに仙台結界を貼るシーンは11月1日と描かれたので、
12月1日には儀式が達成されると考えられます。
ここまで聞くと、
「じゃあ、人類の進化が目的なら、人は多い方がいいよね」
って思う所ですが、
ただこれをレジィが否定してきたんですよね。
なぜなら、このサバイバルゲームの結界内では、あまりにも多くの人がシんでおり、
強者が生き残るような仕組みになっていたからです。
で、レジィの理論では、
10個ある結界内で強者を誕生させた後は、
最終的に爆弾を落として“シ滅回游”が終了するだとうとも語っています。
レジィ論で言えば、“シ滅回游”の目的は人間の間引きであって、
強者を誕生させようとしている行為となります。
整理すると
羂索の目的は、
①天元論⇒天元を利用した同化による人類の進化
②レジィ論⇒強者誕生
の2つとなります。
伏黒はこれで意見が分かれてるから羂索の陰謀論を疑った訳です。
で…どっちが正解なのって話ですが、恐らく②の方が近いんですよね。
羂索と九十九の対話シーンでは、羂索はこう語りました。
羂索「私は呪霊のいない世界も牧歌的な平和も望んじゃいない」
羂索「非術師 術師 呪霊 これらは全て“可能性”なんだ “人間”という“呪力”の形のね だが まだまだだ こんなものではないハズだ 人間の可能性は それを自ら生み出そうともした」
羂索「だがそれでは駄目なんだ 私から生まれるモノは 私の可能性の域を出ない 答えはいつだって 混沌の中で黒く輝いているものだ 分かるかい?私が創るべきは 私の手から離れた混沌だったんだ」芥見下々先生/呪術廻戦/18巻引用
つまり、羂索は一種の研究家みたいな人で、
呪力という可能性をギュッとさせてどうなるか実験しているような人です。
それは、全人類に呪力を持たせてから、戦わせて、
トライ&エラーの繰り返しをした先で、
一体の神みたいな存在でも作りたいのかは分かりませんが、
ただ、会話を整理する限りだと、羂索の目的は、
①天元論⇒天元を利用した同化による人類の進化
②レジィ論⇒強者誕生
どちらでもない気がします。
そう考えると、天元と羂索を疑わせたシーンはミスリードだったのかな?と一つ落ち着きました。
そもそも古来から日本を守ってきた天元的には、このコロしを推奨する羂索の考えは相容れないはず。
仮に考えが一致する可能性があるなら、
呪霊のいない世界作りに互いが賛同した場合のみかなと思いました。
九十九曰く、
呪霊の生まれない世界作りは、
①全人類から呪力を失くすか、
②コントロールできるようにするかだそうですが、
どっちかを達成する形で天元の結界術を貼る役割を終わらせるなら、
ワンチャン天元と羂索は繋がるかもしれません。
でも、結局これも
羂索「私は呪霊のいない世界も牧歌的な平和も望んじゃいない」芥見下々先生/呪術廻戦/18巻引用
と繋がらないので、二人の考えが合う事は、現状の情報ではないのかなーと思いました。
でも、そうなると、
なんで伏黒がわざわざ羂索と天元が裏での繋がりを匂わせてきたのか意味不明になりますがね……(笑)
因みに、
羂索の目的については主観で話すと、
漫画的な面白さを考えるなら、“最強”を描いている漫画ですし、
最終的にはバトル展開になるんじゃないかと思っています。
人類の呪力最適化で、どうたらとか、
人類の呪力からの脱却でどうたらとか、
1000年以上生きてそうな羂索の最終目的がそんなんじゃ面白くないですよね。
そもそも羂索の台詞とか見ても、
羂索「聞いているかい?宿儺 始まるよ 再び呪術全盛 平安の世が…!!」芥見下々先生/呪術廻戦/16巻引用
こんな話し方をするので、
平和ボケした世界よりも、もっと血みどろになった世界の方が好きそうな印象もあります。
そういう意味では、
目的はもっとシンプルで、
単純に宿儺や五条に単体で勝ちたいだけかのかもしれません。
そう考えると羂索の行き着く先は、
数多くの呪霊を取り込み、極ノ番で術式を抽出しまくって、ドンドン強くなる事ですが、
それが“シ滅回游”とも繋がってくるなら、全員 彼の餌でしかないなんてことになりますね(笑)
つまり、真人たちにやっていたように、
育てて、最後は喰うつもりなのかもしれません。
羂索「礼を言うよ虎杖悠仁 呪霊操術で取り込んだ呪霊の術式の精度は取り込んだ時点で成長を止める 君との戦いで真人は成長した 本当は漏瑚も欲しかったけど まぁ 仕方ないね」芥見下々先生/呪術廻戦/16巻引用
こっちの方がまだ漫画としても面白いですし、羂索っぽくもありますよね。
まあでも人間は喰えないので、そうなるなら、
まだまだ他にもがありそうですが…
感想
という事で20巻は乙骨メイン回でしたが、
個人的には好きなキャラクターなので満足の行く巻でした!
他にも黄櫨折vs髙羽史彦とか、
麗美の回想が入ったりとか、
津美紀と天使が登場したりとか、
他にも面白い展開は目白押しだったので、
まだ読んでいない方はぜひって感じですね。
あと、個人的に今回 乙骨がメインになって思ったのは、
マジで乙骨が感情移入しやすいということ(笑)
特に乙骨が烏鷺と話した
「なんでそんな何百年ぶりに蘇って人コロしたいの?」っていう疑問は「分かるわ~」って感じでした(笑)
まあ実際、烏鷺は暗サツ部隊でしたし、良い人生を送れなかっただろうし、そっちのせっしょうする道に行くのは仕方ないですが、
でもそんな烏鷺に対して、
「友達とか恋人とかいないの?ていうか作ったら?」的なノリで話す乙骨には親近感が湧きます(笑)
だって、乙骨って17歳の少年ですからね??
「平和に行こうよ」
っていう考え方がの方がシンプルで歳相応って感じがして分かり易いですよね。
逆に虎杖は、
“人を正しいシに導きたい”
という理念を掲げてるせいで、考え方が理解しづらい。
その他で言っても、
宿儺のせいで人がシぬからその分助けたいとか、
宿儺が伏黒を狙ってるから伏黒とは距離を置きたいとか、
自分が部品なんだとか…
考え方が受け身というか、
本当に主人公?って思えるくらい、主軸が虎杖にない。
そもそも15歳の考え方ですらない(笑)
なんか共感しづらいんですよねぇ…
むしろ、
羂索や宿儺にいい様にされている操り人形なんじゃないか?って思えます。
まあでも…主人公なので…?
最終的にはそこんところもひっくり返すんですよね、きっと。
そう思うと先が楽しみではありますね。
ではでは、今後ともどうなっていくかに期待です!
20巻の感想でした!
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