この記事は集英社発行『週刊少年ジャンプ』で連載中の「アオのハコ」の10巻の感想を書いたものです。
10巻までを読んだ方向けの記事となっていますので、読んでいない方はぜひお読みになってからご覧下さい。
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前巻では、
・バドミントン部&バスケ部&新体操部での3泊4日の合宿が始まったり、
・雛が大喜から告白の返事をされたり、
・菖蒲が雛を励ましてあげたりと、
盛り上がる展開が目白押しでした。
今回からは大喜と千夏のデート編から開幕となる雰囲気がありますが、
ここからどう盛り上がっていくかが気になる所です。
では、キャラ紹介も交えながら感想を書いていきます!
考察&伏線要素にも触れています(項目から飛べます)。
※10巻までのネタバレが含まれますので、先バレが苦手な方は要注意です※
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目次
キャラ
ここでは本巻で活躍するキャラを紹介していきます。
今回は4名です。
猪股 大喜(いのまた たいき)
・概要
本作の主人公。
バトミントン部の1部員。
バスケ部の鹿野千夏に恋をしている。
なお、大喜曰く、
好きになったのは中学の頃。
千夏は、
中学の引退試合後のその翌日には、
体育館に練習に来ていたが、
今思えばその頃にはもう好きだったかもと語っている。
それはバスケに懸命な千夏を見ての事だが、
大喜はそんな千夏から影響を受けたのか、
目標を決めたらそこに一直線に向かい、無茶をする所がある。
本編では、
その部活内での練習成果が実って、
日本プロにも勝利を果たした遊佐にも勝利した。
目指すはインターハイ出場であり、
その後でなら告白も許されるのではないかと思っていたりする。
現状は、
千夏の全国制覇を邪魔しない為にも告白は先延ばしにしているが、
遂にデートに誘う事となった。
鹿野 千夏(かの ちなつ)
・概要
本作のヒロイン。
バスケ部の次期エースと謳われており、
実力がありながらも人柄も良く、校内での人気が高い。
本編では、両親の海外転勤が決まり、千夏も海外に行く予定だったが、
大喜から話しがキッカケで、日本に残る事を決めている。
それは、
千夏が中学の引退試合後の翌日に体育館に練習に来ていたという話しを受けての事で、
この話しから千夏は、
“全国行きたかった”“諦めたくない”という想いを再熱させた。
そうして千夏は、
母と親友の仲であった大喜の母(由紀子)の家で居候する形となり、
大喜との共同生活が始まった。
そんな千夏だが、大喜に惹かれつつあり、
幼馴染である花恋には猪股の事が気になっているとも公言している。
今回では、
大喜からのデートの誘いにノリノリで、
その後にカフェにも行きたいと提案した程だった。
松岡 一馬(まつおか かずま)
・概要
栄明2年のバスケ部の1人。
最近までアメリカに留学していた帰国子女でもある。
千夏に好意を寄せているため、
千夏に付きまとう大喜を遠ざけようとする素振りが目立つ。
また、千夏とは中学の時から共にバスケ部仲間として付き合いがあり、
喫茶店に行ったりもしている。
なお、瓜生ともゲーム仲間である。
本巻では、女子バスケ部ウィンターカップ観覧席のチケットを巡り、
大喜とシャトルラン対決することになった。
木戸/後藤 夢佳(きど/ごとう ゆめか)
・概要
中学のとき栄明に居た人物。
高校に入る前には、バスケ部を辞め、何処かへ引っ越していった。
千夏の憧れの存在で、バス部内でも天才と謳われていた。
千夏が毎朝練習するようになったのも、
この夢佳に追いつきたいという想いがあっての事である。
そんな夢佳は、嫌味を言う性格で、
また、プライドも高く、人に相談などをしなかった為、
辞めた理由や引っ越した理由などは謎に包まれている。
しかし、本巻では、大喜&千夏と出会ったことで、
その謎が紐解いていく事になる。
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見所
ここからは個人的に面白いと思った名場面・名シーンを3つだけ紹介していきます!(本編にはもっと良いシーンが沢山あります)
大喜x千夏のデート
まず本巻の最初の見所は、
やはり大喜と千夏のデートですね!
このデートのおかげで、
夢佳という
千夏がバスケを頑張る事になった人物とも出会うことになるので、
超大事なエピソードとなっています。
で、この2人のデートは、
あくまでジャージを買うという体のデートだった訳なんですが、
ただ、大喜的には、
水族館以来の2人きりのお出掛けだし、
自分から誘ったから、
と言うことで、大分 気合が入っていたりします(笑)
しかも、本人的には、
“告白をしたって良い”
とまで思っている程です…!!
大喜「告白だって…するチャンスだ」三浦糀先生/アオのハコ/9巻引用
そういう意味でも、
終盤の流れがどうなるか気になるデートだったんですが、
中身の内容としては、
ジャージを買うシーンは顔見知りの横村が、
お着換え中の千夏を雛だと勘違いしたりしたくらいで、
特に気になる部分はありませんでしたが、
この後に千夏のオススメで訪れたカフェで大波乱が起きます…(笑)
なんと…そこに居たのは、
千夏を狙う帰国子女の松岡でした…
「マジでどんな偶然?」って感じでしたが、
この松岡が敵意丸出しで面白かったですね(笑)
アメリカに行ったからなのか?
感情表現が直接的で、見ていて飽きないですね。
ただ、元は大喜と千夏のデートの為に来ていた訳で、
大喜的には「いやいや、そっちが帰れ」という感じでしたね。
また、カフェ内では、
松岡が大喜を突き放す為に中学時代に千夏と喫茶店に来た話をするんですが、
ここで松岡が大失態をして、
渚と夢佳を人違いするっていう事をして地雷を踏んでしまっています……(笑)
松岡が、千夏以外は眼中にない事の表れなんでしょうが、
大喜曰く、空気が若干悪くなったようなので、
印象は下がる結果になった事でしょう…
そして、最終的には、
大喜が夜景の見える見晴らしの良い高層ビルに千夏を連れて行くんですが、
ここでまさかの人物と再会となります。
千夏の憧れ、天才の夢佳登場
続いての見所が夢佳との出会い編です。
大喜のおすすめスポットで夜景を見ていた千夏と大気ですが、
そこで男を連れた昔のチームメイトの夢佳と出会いました。
そんな夢佳から放たれた言葉が、
“彼氏できたんだね”
じゃあ…
“全国制覇はもう諦めたんだね”
でした…。
「急に辛辣すぎるだろ」って感じでしたが、
千夏は“諦めていない”と返していましたね。
また、流石に空気が悪いって子とで、
ここで男の方が気を遣って夢佳にチョップを入れて、
立ち去って行ったんですが、
これはナイスでしたね。
・夢佳とは
という感じで、
夢佳の第一印象は最悪…!!
なんですが、
ただ、バスケ部の天才、千夏の憧れの的だったという肩書もあり、
まだまだどういう人か気になる段階でした。
そして、ここからは、
怒涛の夢佳を掘り下げるお話へと展開されていきます。
まず、千夏と大喜との会話からは、
“夢佳が天才で千夏の憧れの存在だった”
事などが語られ、
その後には、
大喜が訪れた歯医者でバイト中の夢佳と出会い、
バスケを辞めた理由が、
“千夏を嫌いになったから”
と語られ、
そして、その後の千夏と大喜との会話からは、
本格的に夢佳がどういう人物だったかた語られていきました。
千夏曰く、
出会いは小2で、
千夏が初めてバスケを始めた時に居た子。
そして、その頃にはもうボールを自由に操る天才だったそうで、
更に、
“人を惹きつける求心力”があり、
“この子についていけば大丈夫”
と思わせてくれる程のカリスマ性があったとも語られていきます。
自他ともに認める才能の持ち主だった訳ですが、
この夢佳に追いつく為に千夏は毎朝早く体育館に来ては頑張るようになった背景もあります。
つまり、大喜が好きになったストイックな千夏が誕生したのも、
この夢佳のおかげ(影響)なんですよね…
そうして千夏の努力も報われ、
スターティングメンバー(スタメン)にも選ばれるようになっていき、
今のエースとなった千夏に続いていきます。
そういう意味でも夢佳は超重要人物です。
ただ、夢佳は突然 中学でバスケを辞め、皆の前からも姿を消す事になってしまいます。
これが夢佳編の最大の謎となっていますね。
そして、理由については、
この後の夢佳x大喜での対話や、
夢佳x千夏との対話で明かされていく事になります。
夢佳x大喜&夢佳x千夏
続いての名場面は、
夢佳が挫折した理由の真相編です。
まずは、大喜と夢佳の会話です。
場面としては、
歯医者で夢佳と会った大喜が、
その後のとある日に、
公園で子供を相手にバスケをしている夢佳と出会う事になります。
これはもう、ザ・主人公パワーって感じで、
ヤバい頻度で重要人物と会うようになりますが、まぁ気にするのは野暮ですね(笑)
で、夢佳からは挫折理由が語られるのですが、
夢佳曰く、
“世の中には自分よりすほい人なんてごまんといる”
“プロになれる訳でもないのに部活だけしてて良いのか”
“進路はどうする”
というようなことでした。
これを聞いた大喜は、
挫折は、
負けたことによる挫折からの現実逃避なのだと結論付けています。
大喜的には、
別に、その後も挽回のチャンスはあっただろうに、
なぜ頑張らなかったんだろう?という感じでした。
これを言った大喜は夢佳にパコーンとビンタされちゃうんですが…
この後の会話や千夏と語った挫折理由もグッとくるものがあったので、
まだ読んでいない方は本巻を読んでみてください。
この辺の内容はぜひともご自身の目で見て頂きたいので、
内容は省かせて頂きます!
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考察&伏線
続いて、
本巻で気になった伏線について触れていきます!
今回、個人的には気になった伏線は2つありました。
・食べてほしいもの
まずは、千夏が大喜に食べて欲しいアップルパイがあるといって、
カフェに行くことになった際に大喜から話された、
“じゃあ俺も千夏先輩に食べてほしいものがある”
という話しです。
これに千夏は“うん”と言っているので、
次のデートも取り付けが完了した訳なんですが、
詳細はまだないのでまだ未回収の伏線となっています。
今後また2人がデートする事になると約束されたようなものなので、
一応 覚えておきたい所ですね。
・千夏先輩に言いたいことが
続いていが、
大喜が“千夏に言おうとしたこと”ですね。
デート前には、
“告白のチャンスもある”
という想いを胸に秘めてきていたので、
恐らく告白の類だったのではないかと予想されますが、
この“台詞の続き”も未回収の伏線となっています。
本編では、ここで夢佳が登場しちゃったので、
話が流れたんですが、
この伏線がある限り、
いつでも千夏から、或いは大喜から、
“あの時は何て言おうとしたの?”
と言われてもおかしくない状態にいます。
勿論、“告白”と決まった訳ではないんですが、
ただ仮に告白だった場合は、
インターハイ出場をせずして告白する事になるので、
そういう意味じゃ、
割と2人のカップル成立は早い段階で描かれる可能性も出てきます。
実際、本編ではもうウィンターカップということで、
冬の話しに入りますが、
新年が明ければ二人は進級して、千夏は最後の年にもなっていきます。
そして、高校生カップルを描くなら、これが最後のチャンスとなります。
既に両重いな雰囲気もある二人ですが、道中でどうなるかが見物ですね…
感想
はい!
という訳で、10巻は、
夢佳回!!
って感じで、ひたすらに夢佳について語られていましたね。
千夏と大喜のデートシーンでも、
その傍らで夢佳の写真が見つかったという描写が出て、
そして、天才と語られ、実際に会って、
回想編で真相が浮き彫りになって言った訳ですが、
収録されている81話~90話の内の82話からはずっと最後まで夢佳の話しです(笑)
なので、10巻はザ・夢佳回って印象が残りました。
・夢佳について
で、夢佳についてですが、
才能や天才肌で周りから良いと言われていたけど、でも挫折しちゃったというキャラクター背景は、
個人的には感情移入しやすく、読んでいて非情に興味深かいキャラクター性となっていました。
最初は、写真が出た段階では、
「千夏のシんだ親友か?」
とか思ってましたが、ちゃんと生きて出てきて良かったです(笑)
で、実際の挫折理由の詳細はまだ完全解剖となっていませんが、
両親の離婚も理由に入っているんじゃないかと思っています。
恐らくですが、
結局 千夏も両親の海外転勤についていこうとしていたように、
“諦める”
という気持ちは誰もが抱くモノなんですが、
大事なのはその時に、
“支えてくれる人が居るかどうか”
なんですよね…きっと。
千夏の場合も、
大喜が千夏の想いを再熱させたおかげで、インターハイ優勝の夢を追う結果となりました。
しかし、恐らく夢佳の場合は、
両親の離婚もあって、
支えてくれる人が居なかったんじゃないのか?
と思っています。
更に天才と言われていたから、気にかけてくれる人もいなかった可能性があります。
夢佳なら大丈夫…的な。
そういう意味じゃ、
“自分を支えてくれる人がいる”
千夏とは対比的に描かれている人物であって、
更に言うなら、
仮に千夏と大喜が出会っていなければ、
千夏が歩むハズだった人生を歩んでいる人でもあるので、
目が離せないキャラクターとなっている訳です。
まあ…夢佳の口が悪くてネガティブな気質も見る限りだと、
あそこまで千夏が落ちぶれる事も無さそうですが、
でも、似たような人生を歩んでいた事を考えると、
決して他人事ではない気もしてきますよね。
後は、大喜も言っていましたが、
そりゃあ上には上がいるのは当然だし、
プロになれるか分からないけど一生懸命頑張ってるのが楽しいのだから、
そんなので辞めちゃうのは、
“そうじゃない”
と、何かを言いたげでした。
本巻では、
ここでビンタを喰らっていたので未回答のままなんですが、
この先の回答が何だったのかも楽しみだったりします。
この答えは、大喜もまだ分かっていないようでしたが、
その答えこそが、
この漫画で作者さんが伝えようとしている“大切さ”なのかもしれません。
それが何かと言われたら、
恋愛漫画かつスポーツ漫画なので、
“人と人とで支え合う大切さ”
を学べることこそがスポーツの魅力…
とかかなって思ってますが、
だからこそ人と相談しないプライドが高かったり、
一人で突っ走るプレーをする夢佳が対照的な存在として、
描かれていると思うんですよね。
まあ…何せよ、
こちらは大喜と千夏を追う中で、自ずと正解は見えてきそうなので、
引き続き本編を追っていきたい所ですね。
ではでは!
次巻で夢佳の挫折理由の真相が語られそうなので、
一旦はそこの真相に期待です!
10巻の感想でした!
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