この記事は集英社発行『週刊少年ジャンプ』で連載中の「アオのハコ」の11巻の感想を書いたものです。
11巻までを読んだ方向けの記事となっていますので、読んでいない方はぜひお読みになってからご覧下さい。
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前巻では、
・大喜と千夏のデート展開が描かれ、
・その後に夢佳という元チームメイトが登場した流れでした。
・そこからは夢佳の背景がドンドン浮き彫りになっていきましたが、
真相にはまだ辿り着いていないという段階です。
本巻ではその全貌が明かされそうなので、期待といった所です。
では、キャラ紹介も交えながら感想を書いていきます!
考察&伏線要素にも触れています(項目から飛べます)。
※11巻までのネタバレが含まれますので、先バレが苦手な方は要注意です※
⇒【千夏の憧れの存在ユメカ登場!!】
⇒【松岡が盛大にやらかす…】
目次
キャラ紹介
ここでは本巻で活躍をするキャラを紹介していきます。
今回は3名です!
猪股 大喜(いのまた たいき)
・概要
本作の主人公。
バトミントン部でインターハイ出場を目指す。
バスケ部の千夏が好きであり、前向きに練習に励む姿勢に惹かれた。
それは、毎朝休まず練習に顔を出すところだったり、
大喜がインターハイを諦めかけていた時に前向きにさせてくれた言葉掛けの出来る人柄の良さだったりする。
他にも、
付きっきりで看病してくれたり、相手の気持ちを考えられる優しく出来る所などもあるが、
大まかに言えば、
優しく、相手の気持ちが考えられ、気遣いが出来る、前向きな性格に惚れたと言える。
そんな性格の千夏から元気を貰い励みにしてきた大喜だが、
本巻では、恩返しとして粋な行動を千夏に取る事になる。
鹿野 千夏(かの ちなつ)
・概要
本作のヒロイン。
バスケ部のエースで、両親が海外転勤した為に、
大喜の家で居候する事になった。
目指すはインターハイ優勝であり、そのための努力を怠らない。
周囲からもバスケにしか興味がないと思われており、恋愛とは縁がない印象を受けているが、
徐々に大喜に惹かれて行っている。
千夏の場合も、
大喜の前向きで誠実で、一生懸命な所に惹かれているように思えるが、
そういう意味では、2人は、
互いの良い所が影響しあっている、良い意味で与え合っているような間柄だと言える。
そんな千夏には、
後悔している過去として、夢佳との別れがあるが、
本巻では、大喜のおかげで2人の関係が再び動き出す事になる。
後藤 夢佳(ごとう ゆめか)
・概要
小学生の頃、バスケで天才と言われていた人物。
千夏とは、小2の頃に同じチームになった事で仲良くなった。
しかし、中学での大会では、
自分の才能が通用しなくなり、挫折を味わう事になる。
更に両親の離婚も重なったことで、気づけばバスケ部を辞めていた。
そして、高校生になる頃には千夏の前からも姿を消していた。
その後、再会した千夏からは相談して欲しかったと言われたが、
夢佳は次第に自分が嫌いになり、
恥ずかしさから千夏には相談出来なかったと語った。
結局、この対話では、仲直り出来なかった2人だが、
本巻では大喜のおかげで良い展開を迎える事になる。
見所
ここからは個人的に良かったと思う名場面を3つ紹介していきます!(本巻にはもっといっぱいあります)
夢佳、挫折の全貌
まずの見所は、
夢佳の挫折理由の全貌が明らかになった事ですね。
前巻では、
実力不足で心が折れたことが語られましたが、
本巻では、両親の離婚も影響していた事が明らかになっています。
そんな夢佳ですが、
元々 父とは公園でバスケをする程の仲良しな間柄で、
父からは、
“そういうバスケを好きだという気持ちは最強だから、その気持ちを大切にしてね”
と言われていたのですが、
しかし、夢佳が中学でバスケでついていけないと感じ出した頃に、
あろうことか…
母から離婚する事になったと、告げられる事になってしまいます。
それまでは、
どんなに苦しくても、ひたむきに努力し続ければそれが強さになると信じていたのですが、
この二重の苦悩には、
流石の夢佳も心がぽっきりと折れてしまったのです。
更に、プライドの高さから千夏にも相談出来なかった夢佳は、
結局 前向きな感情を取り戻せす事なく、
消えていく事になった…
というのが物語の真相でした。
これは非常に残念な結果ですが、
しかし、やはり、
苦しい事が重なると、どうしてもその場から離れたくなって、
学校やバイト先や仕事や家や友達関係からも、
全部から逃げ出したくなって、
全ての者ごとを中断しちゃう人もいると思いますが、
これはある意味で仕方のない事だとも言えます。
せめてもの希望が、
誰かに相談したり、支えになる人がいる事ですが、
プライドの高い夢佳にいはそれをすることも出来ませんでした。
これが…
大喜という支えてくれる人の側に居ようとした千夏との大きな違いでもあるんですが、
そういう意味じゃ、対比的に描かれている2人だとも言えます。
そして…!
このままで終わらなかったのが、この物語の面白い所になります!
⇒【大喜が告白しようとした⁉】
⇒【雛の大喜の告白の返事が切ない…】
大喜、夢佳にチケットを贈る
続いての名場面は、
大喜が身を挺して、2人の寄りを戻そうとした展開です…!
シャトルランで松岡と勝負をしていた大喜ですが、
無事に勝利して千夏のウィンターカップの試合の観覧チケットを手にします。
そして、粋な事に大喜はこれを夢佳に送って見せました…!
普通なら自分が見たいと思うものですが、
大喜は2人の仲を大切にしたのです。
その後、夢佳は千夏の試合を観覧しました。
また、夢佳の存在に気づいた千夏は、
試合後に夢佳に話しかけに行く展開になります。
ここで、前向きな気持ちを取り戻せていた夢佳は、
「ごめん」と謝る事が出来ました。
ちゃんと相談すべきだったと気持ちを伝えたのです。
そして、それは千夏からしても同じであって、
思っている事を何も言わなかったのは自分も、だと言い、
「ごめん」と謝罪の言葉を返していました。
また、後の大喜x千夏との会話からは、
実は千夏が夢佳が悩んでいた事に気付いていたけど、
何も言えなかった事を後悔していたとも話されていますが、
その事に対する「ごめん」も込められていた言葉だと思えます。
千夏「私ね ずっと 気づいてたの 夢佳が何か悩んでるって だけど本人が話さないからって何も言わなかった」三浦糀先生/アオのハコ/11巻引用
この相談事に触れるべきかというのは…難しい所ですが、
それに触れるべきかは事の重大さにも寄りますが、
でも、今回ばかりは残念な形になってしまっていますよね…
千夏の気遣いと、夢佳のプライドの高い所が上手く作用しなかったのではないかと思えますが、
ただ、今回の件で互いに謝罪しあったことで過去への清算が済んだので、
2人はようやく前へ進める形となりました。
互いに号泣し、そして、最後には、
夢佳から“また一緒にバスケしよう”という声も送られましたが、
これも全ては!!
キッカケ作りをした大喜のおかげ!!な訳です(笑)
千夏的には、
「ありがとう」という言葉だけでは感謝を伝えきれない形になったのではないかと思います。
これは本当に…もう…
「大喜カッコいいな…」と思う展開でしたが、
こんなことされたら“好き”になっちゃいますね(笑)
⇒【菖蒲の雛の励ましが最高!!】
⇒【千夏の憧れの存在ユメカ登場!!】
千夏、感極まる
そして、本巻の最大の見所と言っても良いのが、
千夏が大喜にありがとうと伝えた場面になります。
千夏は、
夢佳から“チケットは大喜から贈られたモノ”だと知らされていましたが、
大喜に感謝を伝えるためにも、
大会後は、大喜を探す事になりました。
もう会いたくてしょうがなかった訳なんですが、
その後 千夏は、
クリスマスイヴを楽しむバトミントン部らの教室に辿り着く事になります。
そこでは、西田達からは、
大喜が松岡とシャトルラン対決をして、
チケットを勝ち取った事も知らされます。
既に感謝を伝えたい千夏ですが、
大喜に対する想いがドンドン募っていく形になる訳です。
そうして…
最後は、体育館でクリスマスツリーを装飾している大喜を発見するのですが、
千夏は顔がもう火照っているようでした。
ここからは、
千夏が大喜に感謝の言葉を伝え、
そして、大喜から粋な返しがされ…
気持ちを抑えられなくなった千夏が大喜に抱き着く事になるのですが……
こればかりは、
名場面中の名場面だったので、
ぜひとも本巻で自分の目で確認して頂きたいですね…
マジで見ないと損です(笑)
⇒【大喜が告白しようとした⁉】
⇒【雛の大喜の告白の返事が切ない…】
伏線&考察
ここからは個人的に気になった伏線要素について触れていきます。
今回 気になったのは、2点です。
・ハグの感想
まずはハグの感想の件です。
千夏からは、
“もしかしてイヤだった?”
と聞かれちゃった大喜ですが、その時に言葉を返す事が出来ませんでした。
で、大喜的には、
このままじゃ良くないって事で、
“本当は嬉しかった事を本人に直接伝えなきゃ!”
って事で家に走って帰るんですが、
千夏は一旦 年始までお爺ちゃんの家に帰る事になっていて、家にはもういませんでした。
つまり、ハグが嬉しかった事を伝えるという伏線が残っている状態です。
更に、大喜は、
ハグが何だったのかも気にしているので、
その意味を問う可能性も残されています。
大喜「なんだよ 今の――…ギュってギュって!!」
大喜「明日の二回戦が不安で誰かの肩を借りたかったとか!?それとも夢佳さんと仲直りして 感極まって――…?それとも――…
大喜「もしかして…」三浦糀先生/アオのハコ/11巻引用
仮にこれで千夏が恋に自覚していて、
“好き”だから…
なんて伝える事になった日には、
カップル成立の流れも出来そうですが、
果たしてそんなような流れになるのか、気になる所ですね…
そういう意味じゃビッグな伏線です。
・ためらうな
次がおみくじの結果です。
初詣に行った大喜ですが、
おみくじの恋愛運の結果は、
「ためらうな」というモノでした。
もう…
“千夏に告白しなさい”
と言っているように聞こえますが、
・大喜のデートで告白しようと思っていた事とか、
・千夏のハグとかも考えると、
流れとしてはめちゃくちゃ良い状態にあります。
フラれる余念はほぼありません。
一応、懸念されるのは、
インターハイ優勝の夢が遠のく事ですが、
針生と花恋という上手く行っているカップルもいますので、
絶対に恋人同士になってはいけないという訳でもないでしょう…。
この辺も考えると、
“もしかしたらそろそろカップルになるのでは?”
と考えさせますが、
こちらもそれを助長する伏線となっているので、話題にあげておきました!
⇒【雛の大喜の告白の返事が切ない…】
⇒【菖蒲の雛の励ましが最高!!】
感想
はい!
という訳で11巻ですが…
めちゃくちゃ面白かったですね。
そもそも夢佳というキャラクターが個人的に感情移入しやすい所があって、
挫折しちゃった理由とかも何となく分かるんですが、
何よりも辛かったろうと思うのが、
その時に支えになるモノが何もなかった…って事ですよね…
バスケで伸び悩んでいる中に、
両親からの離婚宣言なんてもう…絶望もんです。
しかも、プライドが高くて人に相談できなかったのもまた切なくて、
いたたまれない気持ちになります…
・大喜がカッコイイ
そして、その過去を清算した大喜がカッコイイったらなんの…
この活躍で大喜を一気に好きにもなりましたね(笑)
千夏に対しても誠実な思いを持ち続けていて、
下賤な考えをしていないのも紳士的で良いです。
本当に千夏と大喜は“結ばれて欲しいカップル”と思えますね。
・他の名場面
後は、
他にも面白い場面はいっぱいあって、
・松岡の完全敗北
・雛がまた元気に
・西田の意味深な問いかけ
・菖蒲&笠原のラインの進展
などなどの見所が目白押しだったので、
一見する価値アリアリですね。
ではでは、
もう大喜と千夏…付き合うんじゃないの!?
と思えるところまで来ていますが、それが描かれるのか?
それとも大会に重きを置くことになるのか?
どうなるかが見物ですね…
続きは本編を追っていけたらと思います!
11巻の感想でした!
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