この記事は集英社発行『週刊少年ジャンプ(2023/51号)』で連載中の「僕のヒーローアカデミア」の407話の感想を書いたものです。
本編を読んだ方向けの記事となっていますので、読んでいない方はぜひお読みになってからご覧下さい。
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前回は、
・爆豪vsAFO開幕。
・AFOが爆豪を見て二代目の顔(駆藤)を連想し、憎しみと怒りを露にする
等の展開が描かれました。
気になる爆豪vsAFO。
どうなっていくんでしょうか?
では、感想を書いていきます!
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その娼婦は一年前から病に罹っていた
物語はAFOと与一の母となった女性の話から始まった。
女性は一年程前から病にかかり、硬質なイボが左手に出来ていた。
なお、双子を腹に宿していたが、全く身に覚えがないモノだった。
彼女は二人を産み落とすと、息絶え、イボがなくなっていた。
その後、赤子と女性の遺体をネズミたちがかじるが、川で流された。
一年後。
“発光する赤子”が話題となり、世界各国で“異能”の報告が相次いだ。
“異能”は先天的なものだけでなく、後天的にも人に発現された。
研究者は新たな遺伝子と発表した。
それはあまりに無神経で早計だった
はい!
と言う訳で、冒頭では、
超常発生に当たって、
「その第一人者となったのではないか?」
と思えるAFOと与一の母について語られていました。
なお、本編では、超常について色々説がありましたが、
その中でもわかり易いのが、
ウィルス説でした。
「その謎のウィルスがネズミを介して、世界に広がったんじゃないか?」
ってお話しです。
そして、今回のお話では、
「そうですよ」
と言わんばかりの説明がされていましたよね。
与一とAFOの母に発現した謎のイボ。
母は娼婦で浮浪者だったそうですから、
“突発的で、変異的な未知の病気にかかった”のでしょう。
それは、
ゴミ箱を漁って食べたモノからとか…
更に言えば、それは動物の食べかけだったとか…
詳細は不明ですが、そんな様な所でしょうか。
で、母が二人を出産すると、そのイボは消えた訳ですが、
つまる所、
AFOと与一にその病気なるモノが完璧に移ったのだと考えられます。
そして、そんな母の遺体とAFOと与一にかじりついたネズミ達。
更に川で流された双子の2人。
一年後に“異能”の報告が相次ぐと言う流れですが、
つまり、そのネズミが原因となって、
そのまま世界各国に“異能”が広まったと分かる流れでした。
川で双子が流された際にも、母の遺体も川を汚染したのか?
或いはネズミも流れたのか?
インドなんかでは、
川で体を洗い、飲んだりする人もいますから、
そういった人々から移ったとも考えられますし、
シンプルにそのネズミ達が歩き回ったゴミ箱を人々が漁って食べたりして移っていったのでしょうね。
そうして“超常”黎明期が始まったと分かります。
そういう意味じゃ、非常に感染力の強いウィルスだった訳ですよね……。
そして、ここからは悲劇です。
政府はこれを“新たな遺伝子”と発表したそうでしたが、
人でない者となって、
法が意味をなさなくなり、
見た目は異様な人もいたので、シンプルに弾圧が始まったり……、
その“異能を解放せよ”と立ち上がる四ツ橋みたいな過激派な奴らが出てきたり……、
解説「“超常”が起きて 混乱の後 人々が平和を望み 超常との共存を図り始めた頃異能者の間で一つの思想が流行した。」
解説「抑圧ではなく解放を。異能の自由行使は人間として当然の権利である。」堀越耕平先生/僕のヒーローアカデミア/23巻引用
その前には異能者達を束ねたAFOがいたり…、
と、もうカオスです。
みんながどうすべきだ?と答えの無いままにあれやこれやしていた超常黎明期ってやつですよね。
しかしながら、非常に興味深い話でした。
結局、“個性”とは、
一人の女性から発現した病気の一種だった訳で、未知のウィルス説は合っていたと言えます。
⇒【荼毘とAFOの覚醒がエグイ!!】
⇒【遂に開幕!!緑谷vsシ柄木!!】
コンビナート方面で
それから数年。
デモ隊は結集した異能達を叩こうと会話をしていた。
その後ろには幼い少年姿のAFO。
AFOは硬質の異能で、そのデモ隊を惨サツ。
この異能は遺体となった母をかじり奪ったモノだった。
また弟の与一は優しい性格で兄のそういった行為を止めようとしていたが、脆弱だったため、何も出来ずにいた。
しかし、兄のAFOもまた弟の与一を大切に思っていた。
ある日、与一はヒーローコミックに感化され、ヒーローになりたいと思うようになった。
更に3年。
AFOは“発行する赤児”をコロし、「奪ってやった」と言い与一の前に姿を現した。
なぜそんな事をしたと聞く与一。
AFOはコミックの事を語り出した。
悪の魔王は恐怖の存在であり、皆が全てを差し出すだと。
そして、自分もそんな存在になりたいと。
与一に夢が出来たように自分にも夢が出来たと語るのだった。
しかし、気づけば与一は駆藤の手を引き、何処かへと消えていった。
僕のものにならないならもう――
はい!
と言う訳で、中盤以降は、
AFOの幼少の頃から、
夢を持つようになるまでのストーリーが語られていました。
一応、AFOは唯一の双子の弟想いではあったようでしたが、
しかし、元の気質が悪に限りなく近かったせいで、
分かり合える事はありませんでしたね。
平気で人をコロす等々。
それは、
“人から異能を奪える”という強大な力もまた原因かもしれませんが、
現実的に魔王となり得たAFOは、
その夢を実現させる方向へ走った訳でした。
一方の優しい弟の与一はそんな兄を止めるべく、
兄を止めたいと思っている勢力についたのでした。
なんかこう…兄弟間の想いという事もあって、
どっちが良いとかどっちが悪いとかって決めつけ難いお話しでしたよね…。
というのも、兄のAFOは生まれながらに母がシんでいた訳ですが、
そこから生き延びた生存力はもう…賞賛すべきものがあります。
母にかじりつき、異能を奪った所から始まり、
その後の川に晒された訳ですが、
しかし、母の異能を駆使したのか?
与一も生きていた訳ですから、
つまり弟をも助けた訳であって、
それはもう、
兄としては充分過ぎる務めを果たしたわけです。
その中で学んだ事があるとすれば、“奪う事”ですよね。
生まれながらに“与えられる”なんて経験をせず成長していったAFOが頼れるのは結局自分の力のみ。
その後も延長線上であって、
“奪う”事に生を見出し、それを実行し、弟を守って来た訳ですから、
その行為は否定はできないのです。
良くなかった点があるとすれば、“歯止めが効かなかった点”。
魔王みたく、
全世界を支配し、
全ての人に全てを差し出して貰えるような存在になろうなんて……
傲慢が過ぎます…。
やり方も力でねじ伏せるという、強引なモノですし……。
って考えて行くと、
「ヒロアカ」は、
このAFOという魔王の夢を実現させたい男と、
それを阻止したい弟・与一の物語です。
そして、その全てを背負ったのが、
“緑谷出久”、そして“シ柄木”となる訳ですね。
厳密にはこの最終章の戦いに、
AFOも爆豪も参戦しているので、
現状はもっと複雑ですが…(笑)
何せよ、
どっちに転ぶかは後はこの最終章の行方次第なので、
結末は自分達の目で追っていきたい所ですね。
と言う訳で非常に面白いお話でしたが、
次は、
次回から描かれるであろう爆豪vsAFO、
そして緑谷vsシ柄木の戦いの続きに期待ですね!!
407話の感想でした!
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